「グラビアアイドル」という名称は、いったい誰が付けたのだろう。誰なのかはわからないが、よくよく考えると“奇妙な名称”である。だが、何となくは理解できる。そして実際に、そういう形で多くの女性達が“仕事”をしている。何故か「グラビアアイドル」という形での男性はいない。なぜだ。女性が購入してくれないからに決まっている。男性は、なぜ「写真集」を購入するのだろう。いや、実際には女性達も購入している。不思議な事実だ。つまり男性も女性も、女性の身体の写真集を“魅惑的”に思うらしい。今年、49歳となったタレントでヨガスタジオ経営者・中島史恵さんが9年ぶりに写真集を発売し、その記念イベントを行った。49歳で写真集に再挑戦した彼女だが、それを促したのは夫の一言であったらしい。そういえば35歳で5年ぶりに写真集を出した熊田曜子さんも夫の了解を得ている。二児の出産を経て36冊目だそうだ。日本も“良い国”になったものだ。しかも、そういう“きちんと人妻となったアイドル”の写真集を、男性だけでなく、女性も購入してくれる。なんて律儀で“健全な国”なのだ。この人たちの“ハダカ”は正直すこし健康的過ぎて、性的興奮にはつながらないように思うが、それでいながら未だに売れ続けている。そういう意味でも日本は“健全な国”なのだ。しかも中島史恵さんが、今後も写真集を出す可能性があるかを問われて、放った言葉が最高にいい。「ご要望がある限り…出していきたい」そう、何しろ、アイドルなのだから、グラビアアイドルとしての需要があれば出す。あくまでも「ご要望があれば…」なのだ。そして、極めて“健全な男女たち”が、決して激しくではなく、密かに、つつましく、ご要望するに違いない。
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