私は以前から「セクハラ」や「パワハラ」は、その判定が難しいということを何度か書いてきた。人は、どうしても“弱い側”に味方しがちだし、“正義の側”に立ちたがるものだからである。この事件は、ニュージーランドのオークランドの小学校で起こった。その小学校の男性教師として27年間真面目に勤務してきた人物が、昨年7月「児童わいせつ罪」で逮捕され、教職も解雇となった。その後、裁判が行われ、昨日「無罪判決」を勝ち取ったことが報告された。何んと、そのクラスの児童たちが結託し「あの教師は気に入らないから辞めさせてしまおう」と、虚偽の“わいせつ行為”を告発したのだ。3人の女子児童が「先生に胸を撫でられ、乳房を掴まれた」「いやらしい手つきで髪を撫でられた」「わいせつ行為を目撃した」と証言。多くの児童もそれに加勢した。担任クラスの児童たちが結託したことで、学校側は即解雇し、警察も捜査に乗り出し、四か月後に逮捕されたのだ。けれども、証言を一人一人辿っていくと、つじつまの合わない点が続出、主導した何人かが他の生徒も巻き込んで教師を解雇に追いやったことが判明した。無罪判決を得て、教師は、怒りと驚きと安どの気持ちであると表現した。そして自らの教室は「地雷原で働くような危険な職場だ」と嘆いた。これは外国で起きた事件だが、日本でも十分に起こり得るし、起きそうな事件でもある。そして、もし、日本で起きた時、ニュージーランドのような“正規の裁判手続き”を行ってくれるのであろうか。また客観的な報道や判断を、マスコミや裁判官たちは行ってくれるのだろうか。そして、何よりも重要なのは、この後、子供たちは、自分たちの「罪」と「罰」に、どう向き合っていくのだろう。学校側はノーコメントだったのだ。もちろん、児童の親たちも、彼に対して謝罪をしない。いったい誰が、彼の“失われた履歴”を戻してくれるのだろう。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む