ニュースなどで「地政学的リスク」という言葉が時々使われる。地域的な各種の問題が世界的な“経済”に対してマイナスに作用するようなときに用いられる。多くの人は気付いていないが、わが「日本」という国は、この地政学的リスクに大変弱い。だから、イタリアの問題など、日本には「関係ないだろう」と思いたいのだが、実態はそうではない。まだ大きく報道されていないが、今、イタリアが揺れているのだ。どういう風に“揺れている”のかというと、EUから“離脱しよう”という動きがじわじわと盛り上がり始めている。8月か9月に行われる選挙で“EU懐疑派”が勢力を伸ばしそうなのだ。それがどうして日本と関係があるのかというと、そういう状態を察知して「円」が再び急騰し始めているからだ。アメリカの長期金利上昇でせっかく「円安」方向へと動き始めて日本株も遅まきながら上昇し始めていたのに、これで再び“下降トレンド”に逆戻りとなる。そうなると今年度後半以降、朝鮮半島の“変貌”も絡んで、日本の輸出企業に微妙な“波乱要因”が一挙に噴出してくることになる。つまり、日本にとっては朝鮮半島の問題も、EU領域の問題も、本来なら日本には直接関係のない変化のはずなのに、世界中で“最も敏感に反応する”のが日本の経済を支える「ドル円相場」と「日本の株式」なのだ。だから、日本株というのは、実は“世界の先行き”を占ううえでは、とても分かりやすい“指標”ともいえる。日本のバブル期は80年代後半で1989年12月に日本株は最高値を付けたのだが、そのあとアメリカが経済面で大きく飛躍し、世界の経済をけん引した。つまり、日本は“アメリカの先”を行っていて、株価が高騰していたのだ。だから、2008年のリーマンショックの時にも、本国であるアメリカよりも日本企業でダメージを食らった企業が続出した。そういう意味ではイタリアの政局不安など関係なさそうなのに、日本円は急騰し始め、日本株は下落し始めている。仮想通貨が昨年日本で急騰し、さらに今年は急落し始めているのも、世界の経済変貌に先駆ける予兆なのかもしれない。
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