ちょっと驚かされるニュースが入ってきた。元オウム真理教徒で現在「ひかりの輪」を主宰している上祐史浩氏が“インド占星術師”に転身するというのだ。今回のセミナーで初めてそれを公言したらしい。元々上祐氏は古代インドのヨガや仏教に関心を持っていた。早稲田大学理工学部大学院で宇宙工学を研究していた彼は“宇宙”と“超能力”にも強い関心を抱いていた。それら全部の“探究”を目指していたのが初期の純粋(?)な「オウム神仙の会」だった。麻原がどう考えていたかは知らないが、少なくとも初期の「オウム神仙の会」は超能力好きのヨガ集団にすぎなかった。それが変化し始めたのは「オウム真理教」に名を改めてからである。本来であれば、上祐氏はただ一人、教祖・麻原彰晃に対して意見できる人物だった。実際、初期の頃は上祐氏の主張で取り止めていた事項がいくつもあった。ところが教団が“巨大化”していくにつれて、元々が商売人の麻原は、理論派で精神主義的な上祐氏を“煙たく”感じ始めていた。だから、彼をアメリカやロシアに飛ばして“普及活動”に専念させたのだ。そのことが、結果的に“ナンバー2”でありながら極刑を逃れた一番の決め手となったのだから、人生はわからない。これまでにも「ひかりの輪」ではインド占星術の専門家を招いて占いを行っていたらしい。確かに、インド占星術やマヤ占星術や密教占星術は、さまざまな宗教の勧誘剤としてイベント的に使用されているケースが多い。なぜなら占星術は「運命」を予告するが、その“運命の呪縛”から逃れる方法を「宗教」に任せてしまえば、占いの責任を負わなくて良い。こうして大昔から、秘教的な占星術と呪術的な宗教とは“妖しい関係”を築いてきたのだ。上祐史浩氏がどのような意図のもとに“インド占星術師(鑑定料二万円)”に転身したのかは知らないが、占いだけでなく“開運グッズ”の販売も平行して始めたのだけはいただけない。宗教の“師”として仰ぎ見てきた人達にも、今後、占いの“師”として相談依頼する人達にも、あまりにも開運グッズ販売は商売の臭いがして“妖しく”見えるからである。
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