5月26日発売の7月号で少女漫画雑誌「別冊花とゆめ」が休刊する。1977年の創刊だから39年間も続いたことになる。ところが、それよりも1年早くスタートしていた物語がある。現在は、この雑誌の方に連載されていた美内すずえ氏の「ガラスの仮面」だ。この物語は、1996年~1997年まで雑誌「花とゆめ」(「別冊花とゆめ」とは異なる月刊誌)の方に連載された。そして、いったん終わったかに思えたのだが、2008年から今度は「別冊花とゆめ」の方で不定期ながら再連載され始めた物語だ。そして現在も終わってはいない。したがって、今回の休刊によって連載は宙に浮いた形となったが、作者の美内すずえ氏は「必ず最終巻まで描き続けます」とコメントしている。その執念たるや並みのものではない。その累計発行部数は数年前に5000万部を超えた。いかに多くの人が単行本として『ガラスの仮面』を購入したかだ。もちろん、その内容に少女たちが惹きつけられたからに違いないのだが、私はこの物語の“タイトル”の魅力もあると思う。漫画で長寿命の物語には共通して、そのタイトルに魅力的なものが多い。『ベルサイユのばら』や『王家の紋章』などのタイトルは、それだけで何となく或る種の画像イメージが浮かびそうである。『ガラスの仮面』は、画像イメージというよりも、少女期に誰もが抱きそうな“もう一人の自分”をほうふつとさせるイメージだ。これが少女たちを惹きつけたに違いないのだ。少年漫画の方には、そういう魅力的なタイトルのマンガが少ない。『火の鳥』や『銭ゲバ』や『巨人の星』くらいだろうか…。私も小学生の時には自分で漫画を描いたが、どうもすらすらと描けない。時間が掛かってしまうのだ。漫画家はすらすら描けないと仕事にならない。結局やめてしまったが、占い師よりも漫画家の方が成功したかもしれないと、後年、同じ生年月日で漫画家の人物がいることを知ってから思ったりした。
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