世の中に“ギャンブル好き”な人は多い。普通に考えれば「どうしてそこまで金をつぎ込むのか」と思うのだが、ギャンブラーからすれば「それを言っちゃーお終いよ」ということになる。タレントの坂上忍氏は、そのギャンブラーの“代表格”のようなタイプだ。関西のTV番組で、毎年、大みそかに全財産を抱えて競艇場に行くのだと語った。ここ20年ぐらい続けているそうで、その一番の理由は「震えたい」からだそうだ。つまり、自分の“一か八か”の予想が当たって、震えるような悦びを得られるのがたまらないという。もちろん逆もあるわけだが、それはそれで“一瞬にして失う震え”が来る。要するに、どっちであってもレース中の緊張感は並大抵のものではない。その何とも言えない緊張感とスリルがギャンブラーの“血を湧き立たせる”らしいのだ。考えてみると、もともとが浮き沈みの多い有名人にはギャンブル好きの人が多い。坂上忍氏と“似たタイプ”としては、作家の伊集院静氏がいる。彼も“大博打”を打つことで有名だ。今はどうか知らないが、むかしは借金をしながら博打を打っていた。作家には昔からそういう人たちが多く、柴田錬三郎氏、黒岩重吾氏、梶山俊之氏、阿佐田哲也氏、花村萬月氏などがいる。タレントでは徳光和夫氏が有名だし、芸人の霜降り・粗品も借金しながらという点ではギャンブラーとしての素質十分だ。マラソンの高橋尚子氏は十時間以上もパチンコを打つようだし、芸人の椿鬼奴のご夫婦は、共にギャンブル好きで一緒になった。俳優では“リアル・カイジ”としてのギャンブラー藤原竜也氏が有名だし、若い頃の阿部寛氏や歌手の後藤真希氏もプロ並みの腕を持っているらしい。漫画家の蛭子能収氏も有名だし、太田光代氏や吉高由里子氏も“博打の才”を持っていることで知られている。ただ坂上忍氏の或る意味すごいところは大みそかの一日に“その年の稼ぎ”を全部つぎ込むところで、もちろん、負ければ一年間の“稼ぎ”のほとんどを失うことになる。20年間の中で、もっとも高額だったのは2015年の6000万円だったらしい。もちろん“大勝ちをする”こともあって、その翌年は一年間まったく仕事をしなかったというから、文字通りギャンブラーとして良くも悪くも肝が据わっていることは間違いないだろう。私も昔からギャンブルは好きだが、どちらかというと“地味な勝ち方”が多くて、滅多に負けることはないが、ほんとうのギャンブラーのような勝利は味わったことがない。
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