私の家にTVが購入されたのは11歳くらいの頃だったような気がするが、その初めの頃に私を夢中にさせた番組が二つあった。その一つがアメリカのTVドラマ「逃亡者」であり、もう一つが昨日訃報が伝えられた兼高かおる氏の「世界の旅」である。まだTVが白黒だった時代の映像の方が記憶に残っている。当時は“海外旅行”が誰でも気軽に行うようなものではなかった。それだけに世界中を駆け巡る彼女の旅の様子は新鮮で“異世界”のような興味深さがあった。彼女の容貌も美しく、何でも積極的に自らチャレンジして、その体験リポートをする。通常の旅行者なら行かないような場所へもどんどん出向く。勇気と好奇心の塊のような女性だと思った。おそらく、当時の日本人全体の身代わりのような意識で世界中を巡っていたのだろう。実際、教科書ではわからない歴史や地理や民族などのことを教えた“興味深い番組”だった。その後、続々と旅番組が登場しているが、おそらく150ヶ国を紹介した番組は他にない。ただ単に先駆者というだけではなく、今も超えることが出来ない“貴重な記録の宝庫”なのだ。私は最近TVでは「オスマン帝国外伝」という海外ドラマが気に入っている。文字通りオスマン帝国の時代の物語なのだが、実際には“宮廷女性達の物語”のようなところがあって、日本の“大奥”のドラマと相通じる部分もある。これはトルコのドラマらしいが、以前NHKで放映したスペインの歴史背景ドラマにも惹き寄せられたことがある。歴史背景のドラマというのは、最初、複雑で解りにくいのだが、徐々に内容が入って来ると面白くなる。日本の最近のドラマは“上っ面でストーリーを運ぶ”物語が多く、入り込めない。ドラマの展開の中で性格が変化していくのも奇妙な共通点だ。歴史ドラマにはそういうところがない。ゆるがせない歴史的事実というものがあって、その中で個々の人物の役割や性格がハッキリとしていて、個々人間の持っている“運命”が垣間見られる。大昔から、無数の人達が“歴史”と“運命”という渦に飲み込まれながら、それでも必死に自らの役割を果たそうとしている姿が、私はたまらなく好きなのに違いない。
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