何でも凝り過ぎると「病気」の一種として“世間”は扱う。例えば「合コン」などでも、2500回以上参加しまくった…と聞くと「そりゃ病気だね」ということになる。そう確かに彼女は病気だったのだ。それも「乳がん」で“ステージ4”という重い症状だった。にも拘らず「病気」の彼女は「合コン」への参加を止めなかった。その結果、いつの間にか「がん」の方が退散していった。こうして「乳がん」を克服(?)した彼女は、それを漫画本にまとめて『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(白戸ミフル著・キノブックス社刊)という長いタイトルの本を出し、漫画家としてのスタートを切った。職業はいろいろだった。化粧品関係とか、広告関係とか、メディア関係とか、とにかく「合コン病」である彼女は、どんな仕事の時にも「合コン」を忘れたことはない。それで特定の男性をゲットするのが楽しいのではなく、男女のさまざまな反応が垣間見られるのが楽しい…というちょっと変わった性質なのだ。それにしても、普通“がん宣告”を受け、それも“ステージ4”と訊けば、大体は落ち込んで「合コン」どころではなくなる。けれども、彼女の場合は違った。「この状況を愉しまないと…」と前向きだったのだ。もっとも、そうでなければ「合コン病」は続けられないし、“乳がん”も克服できなかったことだろう。物事、何でも“死ぬ気”で取り組めば、その道の王道を極めることが出来る。結果「合コン病」の方が強かったので「乳がん」は徐々に敗退していった。こうして、現在のところ再発の兆候は見られない。昔、がんになってしまった人が、どうせ死ぬならということで“世界旅行”を試み、あちこちとまわっている内に何故か「がん」が消えてしまった、という話を読んだことがあるが、もちろん、全ての人に通用する法則ではない。ただ「人生楽しまなきゃ損」という発想は、どんな逆境でも跳ね返すパワーを秘めているのかもしれない。
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