どんなに順調な人生を歩んだ人でも、人生に一度や二度、本来の道を間違えるとか、一時的な「寄り道」をしてしまうことがあります。時には自ら“そういう道”に好奇心から飛び込み、履歴書的には「空白」となりやすい一時期を送ることもあります。それが予期せぬ「左遷」や「リストラ」、「大病」や「事故」、「失恋」や「不倫」、「クスリ」や「イジメ」、「借金」や「保証人」から生まれることもあります。複雑な現代の社会事情が、順調だったはずの「行く手」を塞いでしまうことがあるからです。いったん本来の道を外れると、元に戻すのは容易なことではありません。仮に自ら外れていった場合でも、その「寄り道」から引き返すには、思うほど簡単ではなく“勇気”と“時間”を必要とするのが普通です。人生の一時期に、自らが“そういう道”を経験している人は、決して理屈だけで人を“攻撃”することがありません。黙って許したり、見守ってあげる“人間としての深み”を備えているのが常です。俗にいう「正論」だけで、人は生きていけないことを体験的に知っている人は、人間としての“奥行”が備わっているのです。
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