世界的ファッションブランドH&Mが売り出した商品で、黒人のキッズモデルが着用したパーカーの内容が、あまりに“人種差別的”だとしてグラミー賞歌手などが猛烈に抗議している。青いパーカーには英文で「ジャングルで一番イケてる猿」と書かれているらしい。確かに、あまり趣味の良い表現ではない。ただ私には、こういうものを“売る側”の心理も、人種差別だと“抗議する側”の心理も、いま一つ解からない。近年になって、このたぐいの“奇妙な文言”が記されたパーカーとかTシャツとかが沢山売り出されている。或る種、自己主張なのかもしれないが、そういうものを着ていたとして、通りすがりに読み切ることは難しく、意味として通じていない文言も多い。第一、文字だけを何の装飾もなく並べていること自体、デザイナーとしての資質が疑われる作業で、そういうものを“着て愉しむ”、或いは“着て主張する”人の気持が、私には理解に苦しむ。もしかすると「ジャングルで一番イケてる猿」というのは、実際にジャングル地帯を探索するようなときに、或いは森林地域のピクニックとか、ちょっとした冒険旅行とか、そういう時に“着るためのパーカー”として「風刺」を利かせたつもりなのかもしれず、元より“人種差別”など意図していなかったかもしれないのだ。もし、これを白人のキッズモデルが来ていたなら、人種差別という抗議は起こらなかったのだろうか。或いは、日本人とか、中国人とかのキッズモデルだったら、どうだったのだろう。同じような点で理解に苦しむのは、年末に放映して話題となった「ガキの使いやあらへんでSPアメリカンポリス24時」で浜田雅功氏が扮した黒塗りメイクだ。欧米では「人種差別」として“大ブーイング”の対象となった。けれども、日本人の感覚として、黒塗りをすることで“人種差別的感覚”を抱く人はほとんどいない。欧米人は或る種、過剰に“意識しすぎている”から、それを“人種差別”だと捉えるのである。見た目の違いは隠しようのないもので、差別を“する”“しない”の問題とは根本的に異なる。ところが、欧米人はその境界線が理解できていないのか、或いは、形から入らなければ気が済まないのか、必ず“違い”をストレートに表現しようとすると、すぐに“差別”だと決めつける。それは、彼らの中に本能的な“差別意識”が潜んでいるからのような気がする。ニューハーフや障碍者にしてもそうだが、先天的な違いは仕方の無いことで、それを無理に“存在していない”かのように振る舞おうとすることの方が、よほど“差別”であるよう私には思えてならない。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む