TBSの安住紳一郎氏が自らの冠番組「安住紳一郎の日曜天国」の中で、後輩アナであった川田亜子氏に対して冷たくあしらった過去を後悔・懺悔し、号泣してしまったことが話題となっている。その後、彼女はフリーとなり、やがて練炭自殺する。安住氏はTBSで孤立していた彼女を、自分も孤立していたのに“仲間的に組む”のを拒絶し、おまえとは違う、と突き放した過去を悔やんで嗚咽したのだ。情感豊かで喋りも上手い安住アナは、視聴者からの人気では群を抜いているが、局内では“孤立している”という噂もある。後輩だった川田アナが自殺して10年。いろいろと感じるところがあったのだろう。私は自分の会社員時代を思い出す。私の先輩にS氏が居た。入社当時から、私を可愛がってくれ、会社帰りに一緒に飲むことも多く、時には自宅にまでも連れて行ってくれた。彼には自慢の“若い奥様”がいたのだ。私自身は、あまり夜遅くまで飲むのは好きではない。だから早く帰ろうとするのだが、寂しがり屋の彼は、中々帰そうとしない。奥さんは困ったような表情で頭を下げていた。それから何年か経って、その日も彼は私を誘った。そして自宅に電話を入れたが、奥さんは外出中のようであった。「奥さん、浮気してるんじゃないですか」私は冗談で言った。ところが私の冗談に対して、彼は何故かムキになって反論した。「あいつに、そんなこと出来るわけがないだろう」その眼は真剣だった。やがて彼は、私を同じ会社内の女子社員と結婚させようと熱心に動いた。私は彼女を気に入ってはいたが、何となく、彼女にはその気がなさそうなことを感じ取っていた。だから積極的にはなれなかった。ところがS氏は、どうしても結婚させると引き下がらなかった。或る日、彼が「俺は100万円を賭けているんだ」と言い出した。私がその女子社員と結婚すると、いつも行くバーのホステスと賭けたのだという。そのホステスというのは、彼の小学校からの同級生だった。唖然とする私に、だから結婚してくれなきゃ困るんだ、と懇願した。私は良くても、その女子社員は「まだ誰とも結婚する気はありません」と断言していた。無理なのだ。結局、100万円がどうなったのか、私は知らない。気まずい雰囲気となって、その女子社員も含め、三人は疎遠となったのだ。ところが、それから何年も経って、S氏は「家を新築したんだ」と張り切っていた。そうして私に見せたいというのでついて行った。ところが、奥様は働きに出ているとかで居なかった。帰るまで居てくれというので居たが、奥様は戻っても私に挨拶せず、そそくさと奥に隠れた。何か奇妙だった。以前は、私に対しては丁重に頭を下げた奥様だった。それから何回か「家に来ないか」と誘われたが断った。「いやあ、いろいろと迷惑かけたね」貸してあげていた雨傘をS氏は返しに来た。「別に、使い続けていいのに…」それが私のS氏に対しての最後の言葉になった。彼は新居の物置で首をつって自殺したのだ。奥さんの不倫を悩み続けていた…と後になって知った。
彼がTVに出始めた頃、わたしは彼の発言に対し「それはないだろう」と思うことが多かった。それに、どこか人間としての“冷たさ”を持っているようで、その部分も私には好きになれなかった。た 続きを読む
たまたま2人の人物の新刊書と、それにまつわる自伝的なインタビュー記事を目にした。その一人は元将棋棋士の桐谷広人氏であり、もう一人は元プロレスラーの赤井沙希氏である。元棋士7段であっ 続きを読む
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作家の伊集院静氏が亡くなった。わたしがこの人に注目したのは、彼がまだ作家デビューしたての頃、たまたまその履歴に作詞家としてのペンネームがあり、その名の方で想い出す作品があり「おもし 続きを読む