文春報道で俳優の東出昌大氏と女優の杏氏とが別居していることが明らかになった。そして同時に、東出氏が共演女優・唐田えりか氏と“不倫”したことがその決定的原因であるとも報道された。それらの報道を受けて、不倫恋愛となった双方が、それぞれの事務所を通じ「謝罪コメント」を発表している。もちろん、不倫そのものは良いことではない。けれども、世間に対しても謝らなければならない、という風潮が私には今一つ理解できない。本来、別居とか離婚とかはプライベートな問題である。そして“不倫”と呼ばれる既婚者が絡む恋愛も、プライベートな問題である。もしも仕事上で、例えば年間“CM契約”等で違反契約に属する条項に含まれていれば、それはその仕事関係者には謝罪が必要であろう。けれども、そういうたぐいの仕事がないならば、配偶者や家族への謝罪は行うべきかもしれないが、世間一般に対しての謝罪は必要なことなのであろうか。近年、何かと世間はこの種の有名人を叩くが、古今東西の歴史を調べても“不倫恋愛”や“愛人関係”が存在していなかった歴史など、どこを探してもない。かつて俳優の石田純一氏は「不倫は文化だ」と発言して徹底的にたたかれた。その一方で街には男女関係で山ほど遊んでいる人たちがいる。今から60年前には存在しなかった「ホストクラブ」が繁栄しているのは、男性達だけでなく、女性達も遊び出した証拠であろう。或いは、女性達もそれなりの収入を得て来た証拠ともいえる。家庭・家族を顧みない恋愛や遊びは確かに悪い。だから、その配偶者や家族に謝るのは当然である。けれども個々の家庭・夫婦・家族の“事情”のようなものもある。その全部を“一律”には論じられないのではないだろうか。けれども近年はどのような状況であれ「不倫は悪」として世間から裁かれる。言い訳など通用しない。今回も、だからこそ、双方が“謝罪コメント”を出した。ふたりは、本当に“過ち”だったのだろうか。それは“純粋な恋”ではなかったのだろうか。もし、その“ひとかけら”もなかったのだとすれば、そのことの方が“謝らなければならないこと”のような気が、私にはする。
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