海外からの“東京五輪競技”への“直接観覧”が見送られることが正式に決まった。いったん決まっていた“五輪会場設計案”が変更されたあたりから、この“五輪”にはケチがつきものだった。一年延期して、何とかなるかに思われたが、結局はガタガタのままで“聖火ランナー”は続々消えていき、もはや“風前の灯火”となってしまった。「オリンピックが観れる」をうたい文句にして建てられた高層マンションや高層ホテルはどうなってしまうのか、他人事ながら気にはなる。このままでは選手としての来日も、難しい国が続出しそうだが、嘆いてばかりいても仕方がないので、素晴らしい“発見”をお伝えしよう。もしも、参加国が少なくなれば、それだけ日本の選手が「メダルを獲得しやすくなる」という話だ。まあ、参加国が少ない中での“メダル”に価値はない、と思う人が居るかもしれないが、必ずしもそうとばかりは言えない。JOC(日本オリンピック委員会)はメダル獲得者に対して、報奨金を出す。「金」500万円「銀」200万円「銅」100万円だ。これに加えて各競技団体から報奨金が出る仕組みになっている。どこかの企業に所属している場合には、その企業からも報奨金が出る。これらを合わせると、複数の競技に出場して、複数のメダルを獲得すれば何千万円もの報奨金となるのだ。確かに、参加国が少なくなれば「実力世界一」と胸を張ることは出来ないが、その代わりのように“報奨金”が増えていくシステムなのだ。だから、日本のアスリートたちにとっては、或る意味では“おいしい大会”になるかもしれない。これまでにも、戦争などによって参加国が急減してしまった大会は何回もある。だからと言って、それが「まやかしのオリンピック」として語られることはない。歴史上には「正規五輪」として記録される。不測の事態で出場できなかった選手だけが悔しい想いをする。人生でも、そういうことはよくあって、それこそ「人間の持つ運・不運」を象徴している。応援する場合でも、4位とか5位になった選手を見るより、1位とか2位になってメダルを得ている選手を見る方が気持ちが好いに決まっている。絶対にムリだと思っていた「金メダル」を手に出来る“運に恵まれた”日本人選手は誰だろう。
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