「日本」という国は、表面上「格差」をなくそうと“努力している国”であることは間違いがない。けれども、日本人は総体的に“自己主張”が乏しい。特に、国や市町村の行政から“不利益”を被っているような場合、それを声高に叫ぶ人はまことに少ない。自分の方にも、何らかの問題点や落ち度などある場合、より自制が強くなるようで、本来なら受けられるような“支援”などにも消極的で、時には拒絶するようなことも珍しくない。このほど公表された「引きこもり」に関する調査で明らかとなった16自治体では、全自治体ともに実数として“40代”の引きこもりが“30代以下”の引きこもりよりも多いことが判明した。一般的な感覚として、どうしても「引きこもり」というと、20代とか30代とかを連想しがちなのだが、実際には40代の引きこもりが一番多いということだ。けれども、それでいて40代の引きこもりは、行政からの“支援”を受ける比率が一番低い。つまり、実数としては一番多いのに、国や市からの“就職支援”や“経済支援”に頼ろうとしていないようなのだ。もしかすると、行政へ行っても「どうせダメだろう」と最初から諦めてしまっているのかもしれないし、引きこもりの期間が長くなっていて、何をどう相談して良いか、解からなくなっている可能性もある。行政が定義している「引きこもり」とは、仕事や学校に行かず家族以外とほぼ交流がない状態が6カ月以上続く人、を指している。例えばリストラにあって、再就職のために頑張ったが、次の職場を得ることが出来ずにだんだん「引きこもり」となってしまったような場合なども含まれる。必ずしも、自発的に“心を閉ざした人”ばかりとは限らない。もちろん、そのような場合に“就職支援”や“経済支援”を行政に求めるのは自然なことであって、或る意味では“権利”でもある。ところが、どうしても本人の中に「社会の落ちこぼれ」的な意識があると、行政に頼っても支援など得られないだろう、という思い込みが芽生えやすい。実際、行政の担当者によっては、かなり辛辣な指摘をしてくるような場合もある。だから、どうしても40代の引きこもりは臆病になり、そういうことに消極的になる。元々性格的に活発な人なら「引きこもり」になどならない。現在、日本の将来の“担い手”は40代に移りつつある。政治でも、企業でも、経済でも、徐々に“40代”がリードする時代が始まっている。自分たちの年齢を自覚することで、嫌でも「格差」を意識するのが40代なのだ。けれども、さまざまな社会事情の歪みの中で運命に翻弄され“行く手”を遮られた40代もいる。人生は長い。人は何がきっかけで「覚醒」するか解からない。「運命」は求め続ける人に“救いの手”を差し出すのだ。
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