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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「正義の使者」なのか「汚れた平和賞」なのか


私は「人間の運命」を扱う仕事をしている関係で、どうしても波乱万丈というか、変化に富んだ、或いは起伏に富んだ人生を歩んでいる人に興味を抱く。そういう点で大変に興味深いのがアウン・サン・スー・チーという人物だ。一時的には「ミャンマーにおける民主化のシンボル」とされた女性だが、6月22日、これまでの拘束・収監場から首都ネピドーの刑務所へと移送されたらしい。既に77歳になっていて、汚職防止法違反など15の罪状で立件され、そのうち5件での「有罪」が決まっている。ミャンマーにおける「国民民主連盟」という政治団体のトップにありながら、国軍によってクーデターを起こされ、自宅軟禁となり、すべての権利を剝奪された。つまり、それまで国のトップの地位についていたが、引き摺り下ろされ、罪人となり、過去に「ノーベル平和賞」を得ているが、それも“少数民族の迫害に加担した”疑惑がもたれるなど、いまとなっては“汚れた平和賞”の可能性が指摘される。それでも、未だ大きな影響力を持っているとして、より監視の強固な刑務所への収監となった。とにかく国際的に視ても「正義の使者」なのか「汚れた天使」なのか、その実態がなかなかつかめない。ハッキリしているのは“数奇な運命”を歩んだ女性だ、という点だ。おそらく正規の裁判にかけられ、一応「有罪」となった判決が多いところから、もう刑務所を出ることは出来ないだろう。人間の一生の中で、若い時「正義の使者」だった人物が、途中から権力に溺れて「汚れた天使」と変わっていくケースは稀ではない。特に政治や実業で矢継ぎ早に成果を掲げて言った人物ほど、そういう“魔が差す瞬間”が訪れやすい。そして、いったん“悪魔の誘惑”に従うと、その後は歯止めが利かなくなっていく。だから、あまり若いうちから“大いなる名誉”や“輝かしい地位”や“有り余る財産”を手に入れるのは危険なのだ。よほど自らを“律する”意志の強さを持っていなければ、ちょっとした心の隙間から脆くも崩れていく。
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