当たり前の話だが真冬は寒い。私が暮す札幌は北海道の中では“比較的暖かい方”なのだが、それでもやっぱり寒い。ただ、30代まで暮らしていた室蘭と比べると「天国」のように暖かい。実は「気温」だけを比べると、札幌と室蘭とではそんなに違わない。なのに私の記憶では、室蘭は「極寒」で、札幌は「寒冷」といった表現が当てはまる感じで、室蘭の方がはるかに寒かった。それは海岸が近く、真冬になると強風が吹き荒れるからだ。体感温度は、この強風の吹き荒れる大地の記憶を消すことが出来ない。とにかく身体の中を強風が吹き抜けていく。防寒具など、いくら着ていても話にならない。強風は大地の真下から怒り狂って走り抜けていく。そういう表現がぴったりの風が行く手を阻む。私は車を持っていなかったので、歩くしかなかった。強風に逆らって前に進むのは容易ではない。一歩進むと、二歩押し戻されるのだ。これではいつまで経っても、目的地に着かない。ところが、時々、強風が無風に変わる時がある。ほんの7~8秒くらいなのだが、無風状態となる。だから、その時に、必死で進む。だが、またしても大地の底からの強風が襲ってくる。いったん、強風が吹き荒れだしたなら、4~5分は吹き荒れ続ける。だから、4~5分間はその場に耐えて、7~8秒間進んで、また4~5分間耐えて…の繰り返しとなる。そうやって、私は学校や職場に通った。だから、奇妙なのだが、もうあれから何十年も経っているのだが、未だに夢の中で外に出ると、そこは十代・二十代の時に視た室蘭の道路なのだ。どうしてなのかわからないが、札幌の道路は出て来たことがない。整備されている札幌の道路ではなく、土色が剥き出しになっている室蘭の道路なのだ。夢の中から目覚めて、札幌に居ることを確認して、私はホッとする。職場に向かって家を出る夢の時にも、私の意識は室蘭にあって、冬場は人気ない道を歩いていくのだが、強風のため仕事に遅れる時間になってしまう。あの真冬の大地から吹き荒れる強風が嫌で、子供の頃から早く室蘭を出たかった。それなのに、室蘭を出て何十年も経ったのに、未だに“全身を吹き抜けていく強風”を怖れるのはなぜだろう。しかも、今は職場に向かうという行為さえしていないのに…。
わたしは以前から、人間をすべて“平等”に扱おうとすること自体に対して疑問を持っている。近年はコンプライアンスの浸透から「平等でなければならない」という考えがはびこっているが、ほんと 続きを読む
北イタリアの田舎町にその大学はある。年間の授業料が250万円という大学だが、世界各国から優秀な学生たちが集まってくる。正式名称は面倒なので省くが「食科学大学」という3年制の大学だ。 続きを読む
不思議なことというのが、世の中にはよくある。その一つに「運気の共通性」というものがある。もっとも、これは私だけが言っていることで、他の誰かが言っていた言葉ではない。けれども、敏感な 続きを読む
大変に興味深い映画の全国上映が決った。正直言って、この映画は興味深いが、あまり“おすすめ”は出来ない。まあ、今の時代に“何となく”鬱積したものを感じている人には“おすすめ”と言える 続きを読む
アフリカ中央部に位置する「コンゴ」という国は、われわれにとってはあまりなじみ深い国ではない。したがって、どうしても“遠い国の出来事”と考えがちだ。ただ昔、流行(⁉)したエイズなども 続きを読む
わたしは「運命」というものを扱う仕事をしている関係から、どうしても人生的に“波乱の多い人”や“人生遍歴の激しい人”に眼が行きがちなところがある。そういう点から言って、この人は“良い 続きを読む
韓国の尹大統領は3日、TV演説を行い「非常戒厳」を発動した。戦争の時などを想定している“大統領権限”だが、すべての政治活動が禁止され、メディアなども統制を受ける事態となる予定で、突 続きを読む
人の言葉には「幸運」を呼び込む力を持っている言葉と「悪運」を呼び込む力を持っている言葉とがある。特に、不運なことが重なって、落ち込みそうなとき、自らに“言い聞かせる”かのような前向 続きを読む
こういうことを書いて良いかどうか、ちょっと迷った。だが、彼の言うことをまともに受け止めてしまう方がおられるかもしれないので、書いておくことにした。経済評論家で、このところ矢継ぎ早に 続きを読む
東京都が開始した独身者向けマッチングアプリ「TOKYO縁結び」が好評のようだ。9月から利用開始となったのだが、既に1万2千人が利用しているという。「都」という信頼できる自治体が提供 続きを読む