少子高齢化に伴って「空き家」はどんどん増えていく。不動産情報サイトには“驚き価格”が目白押しだ。中でも目を引くのは極端な“たたき売り価格”。本当だろうかと誰もが思う。例えば、伊豆の温泉付き二階建て別荘の“空き家”が「0.01円」つまり「100円」。築44年でちょっと古いがソファなど家具付き、温泉が出て来るオーシャンビュー浴室付き物件が「100円」ではなく、本当は「1円」だというのだ。実は不動産のサイトなので販売価格は「0.01円」以下にはならない。だから、実際には「1円」で良いらしい。そこに暮らしていなくても、所有者には毎年税金がかかって来る。親から譲り受けた物件の場合、自らは別の地域で暮らし自宅を所有していれば、足が遠のく別荘を維持し続けるのは大変である。毎年、20万以上の税金を納め続けなければならない。さらに管理費用も掛かる。同じような理由から、親から譲り受けた物件を手放そうとする人が続出しているらしい。ところが、こういう別荘型の格安物件は、意外に売れないのだ。なぜかというと、別荘地というのは大体、交通の便が良くない。都会暮らしをしている場合、通勤では使用できないのだ。したがって、若い人の場合は別荘として使用するしかない。地元の“温泉使用料”なども含めると、初期費用だけでも200万円以上掛かる。つまり、実質そこには暮らせない住宅を購入できる余力がなければ、格安だからと言っても手出しは出来ないのが実情のようだ。住宅であれ、別荘であれ、不動産というのはそこに人が住まないと急速に朽ち果てていく。不動産という魔物は、人間の“気”を吸って生きている生き物なのだ。だから一般の人が別荘を持つには、時々は訪ねて“別空間を愉しむ”だけの時間的にも経済的にも余裕を持っていなければならない。妙な言い方だが“働き詰めの人”は、別荘という建物から不似合いの烙印を押され、別荘自らが朽ち果てていくのだ。
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