アメリカのカリフォルニア州における“山火事”が猛威を振るっている。一ヵ所だけではない。なんと10箇所以上で“火の手”が上がっているのだ。まるでカリフォルニア州自体が“焼き討ち”に遭っているようなものである。しかも、最初の火の手は10月23日に起きたのだ。つまり、もう7日も燃え続けていることになる。さすがアメリカだけあって“山火事”もスケールが大きい。などと言っている場合ではない。28日に発生した“ゲティ地区の山火事”は「ポール・ゲティ美術館」という有名な美術館のすぐ傍から発生したらしい。この美術館自体は耐火装置が施されているので美術品に問題はないらしいのだが、周囲が“焼け野原”では無残としか言いようがない。実はこう近くにはセレブ御用達のリバリーヒルズという超高級住宅街もある。そこまで“火の手”が及ぶとは思えないが、より接近しているウエストウッドという地域は間違いなく火事の影響が出て来そうな場所だ。人間は「火」に勝てない。科学の最先端を行くアメリカでも勝てない。もう一つの災害「風=モンスーン」にも未だに勝てない。日本も同様で「風=台風」にも勝てないし、「水=豪雨・川の氾濫・津波」にも勝てない。もう一つ「土=土砂崩れ・地震」にも勝てない。結局、人間はいつまで経ったって「火」や「水」や「風」や「土」に勝てない。古代の人々と同じように勝てないのだ。科学はわれわれの生活を“便利”にはしてくれている。けれども、それはあくまで“普通の状態”においてで、大きな災害時はあまり役立たない。大きな災害時には古代の人々と変わらない姿になってしまうのだ。そういう意味では、われわれは永遠に自然界をコントロールは出来ない。本当は古代人と同じように“自然の神々”に祈りを捧げたいのだが、何となく気恥ずかしい。だから台風がやって来ると解っても、“大自然の神”に祈りを捧げる人は、稀にしかいない。こうして、大自然の神々は人間を戒め、どんなに科学が進もうと、自分たちが“決定的な支配者”であることを、無言のうちに教えようとしている。
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