先日、テレビで今も継承され続ける「カクレキリシタン」に関するドキュメンタリーが放映されていた。その中で印象的だったのは、現在の指導者が口にした“普通のキリスト教やカトリックとは違う”という発言だった。正直、私はこれまで“同じもの”という認識を持っていた。キリスト教の日本における“初期の形”、或いは“秘められたマリア信仰”のように捉えていた。けれども、彼らは“明らかに別物”として「カクレキリシタン」を信仰していた。だから、本来は“公開してはならないもの”なのであった。確かに、いまの日本で何故まだ“隠れ”を続けなければならないのか、その部分が私には不明だった。彼らに言わせると、先祖が多数殉教した中で、命をかけ伝承され続けた“教え”であり、“祈り”なので、一般のキリスト教ではないのだと言う。そういう“軽いものと一緒にされたくない”というのが、頑強ともいえる彼らの信仰形態なのであった。ところで、昨日、日本神道の一派である「黒住教」が1814年の立教以来初めて、教主の「生前継承」というものを行った。6代目教主が80歳を迎える日に、現在の副教主に“教主の座”を譲り渡そうという試みである。葯30万人もの信徒を抱える黒住教であるが、隆盛を誇ったのは明治のことらしく、徐々に衰退してきているらしい。元々、黒住教というのは代々神職の家に生れていた黒住宗忠氏が34歳の時に父母を一度に喪い、自らも大病を患い、一身に祈りを捧げた冬至の日の“日拝”(日の出の太陽を拝むこと)中に起こった“神秘体験”に由来する。太陽神である「天照大御神」と黒住宗忠自身とが“一体化”したのだ。こういう“神秘体験”は、聖人的な偉業を成し遂げた人達にしばしば起こることで、黒住教では「天命直授」として使命を授かったものだとしている。それ以来、この宗教では日の出の太陽を自らの体内に取り込もうとする「日拝」をもっとも重要な信仰形式としている。果たして生前継承された第7代教主は、天照大御神と一体化し、日本に“神の力”を体現できるのであろうか。
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