北大の村上教授を中心とする免疫学チームが「病は気から」のことわざを実証するデータを15日オンライン科学誌上で発表した。つまり、マウス実験により睡眠不足などの慢性的なストレスを与えて、それに神経細胞を攻撃する免疫細胞が加わると、7割のマウスが一週間ほどで突然死するというのだ。免疫細胞が脳の血管部分にわずかな炎症を起こさせ、通常はないはずの神経回路が出来て胃腸や心臓の不調をもたらす。日頃からストレスが生じると胃腸が病んだり、心臓に異変が起こる人は、正しく「病は気から」を証明しているような人で、既に脳内に“余分な神経回路”が出来ていて、ストレス病となっている可能性があるのだ。このような場合、いくら胃腸や心臓そのものを治療したとしても、脳内の余分な神経回路を絶たない限り、何度でも病気を繰り返すことになる。つまりは、昔から言われていた「病は気から」のことわざは真実だった、ということになる。ただ、この研究で注目すべきは、すべてのマウスが同じように反応するのではなく、ストレスを与えても、神経細胞を攻撃する免疫細胞を与えても、動じることなく健康を保つマウスが三割ほどいるということだ。科学者たちはここにはあまり注目していないが、この点はとても重要だ。確かに「病は気から」は本当なのだが、同時にストレスが続こうが、攻撃型免疫を受けようが、それらに動じず、健康でいられるマウスも存在する。おそらく人間もまったく同じであって、ストレスがそのまま病気につながる人と、ストレスがあっても病気には結びつかない人がいるのだ。そして多分、その差は「気」なのだ。過敏すぎる「気」は余分な神経回路を生じさせやすく、何事にも動じない「気」は余計な神経回路をつくらす、原初生命を維持し続ける…そう考えると「病」をつくらない体質も、気持ちの部分が大きく、むしろ「身体は身体さ」と突き放して考える「気」の強さこそ“健康”の秘訣になるのかもしれない。
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