もしもあなたが知人の葬儀に参列していて、その途中で故人の棺桶の中から「お~い、お~い、ここから出してくれ!」という声が聴こえたなら、どうするだろう。もちろん、その場は一瞬、凍り付いた。誰もが、けげんな表情をした。何しろ、今まさに棺桶を土中に引き下ろそうとしていた矢先だったのだ。アイルランドでは現在も土葬が行われている。神父が厳かなメッセージを読み上げ、その後で棺桶を土中に埋めるのだ。やがて、棺桶からの声はより大きくなった。そして、棺桶の蓋を開けると、歌まで歌い出したのだ。ここに至って誰もが、10月8日に病気で亡くなったはずの元軍人シェイ・ブラッドリー氏が「生きていた」ことに気が付く。いや、生きていただけでなく、ぴんぴんしていて、列席者たちに“イタズラ”を仕掛けたのだと気付く。考えてみれば、娘さんは涼しい顔で“動画撮影”を行っていた。グルだったのだ。誰もが騙されたのだが、怒り出す者はいなかったらしい。むしろ“仕掛けられた”ことを愉しんでいる。実は、彼は一年前には正に病気で“死ぬかもしれない”状態にあった。その時、娘さんに頼んで「葬儀場で流すメッセージ」を録音した。今回、用いたのは、その時の録音だった。だから冗談っぽい声や物言いではないのだ。けれども、彼は無事に病魔を跳ね返し、元気になった。そこで、こういった手の込んだ“イタズラ”を思いついたということらしい。この時の動画はSNSで投稿され、33000件の「いいね」を得たらしい。確かに、動画として観れば、楽しいものになっているのかもしれない。けれども、これを「癒しのジョーク」として受け止められるのは、そういうジョークになれている国民だったからなのではないだろうか。もし、日本で同じようなことを行ったら、同じような反応を得られるであろうか。私は難しいように思う。一つには、それだけ、今の日本が“心のゆとり”を失っているからだ。日本人の国民性として“真面目に受け止めすぎる”ということもある。おそらく日本なら「人騒がせな行為」としてひんしゅくを買うに違いない。けれども、こういう“心のゆとり”はあった方が良い。何かがあると、すぐ“徹底的にたたく”現代の日本人は、少し“心のゆとり”がなさすぎるような気がするのだ。但し、このジョークそのものは絶対にマネしないで欲しい。日本ではお墓に入る前に徹底的に炎上し、全身を焼かれてしまうのだから。
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