大昔、私がまだ子供だった頃、TVではアメリカの「西部劇」が放映されていた。その内容は日本の「チャンバラ映画」に似ていたが、そこに出て来る保安官にはどこかヒューマニズム(優しく言えば人間的な思いやり)が漂っていて、ただ単に“悪い奴らは殺してしまう”ような場面は決して出なかった。そういうTVドラマを見て育った私には、どこかで“アメリカの良心”を期待する部分が残っていて、近年のアメリカからそれが失われつつあることを受け入れがたい部分がある。けれども、現実にはそれを受け入れなければならない事件が頻発しつつある。例えば3月18日、一人のアフリカ系アメリカ人の男性が警察官たちから銃撃を受け、命を失った。この警察官たちは、パトカーに乗っていて「男が車の窓ガラスを割っている」という通報に基づき、現場に向かう途中で容疑者らしき人物が建物の庭に逃げ込むのを発見、それを追いかけて直ちに包囲し、建物の庭になだれ込み、男に対して一斉射撃した。まさに問答無用の銃撃である。なぜ、このようなことをしたのかというと、庭に逃げ込んだ人物が両手を上げて背中を向けたからである。アメリカの場合、警察官に取り囲まれたなら、このポーズがお決まりになっている。そうでなければ、それこそ銃撃されても文句は言えない。武器の無いこと、抵抗はしないこと、その意思表示としてのポーズなのだ。ところが、この時、クラーク氏は一つだけミスをした。携帯電話を手放さなかったのだ。それが光を発して、警官たちに「銃を持っている」と誤解させたのだ。結局、一斉射撃の標的となってしまった。こうして、彼は何ら武器も持たず、警察官に背中を向けていて、抵抗もせず、しかも、犯人でもなかったのに、一斉射撃を受けたのだ。昨日、検視の結果、8発の銃弾とも背中から撃たれていて、つまり彼は後ろ向きで、警察官たちには何の脅威もなかったのに発砲していたことが改めて証明された。しかも、彼が逃げ込んだとされた場所は、祖父母の家の庭だった。アメリカのヒューマニズムは死んだのだ。一般市民が“銃を持っている社会”とは、警察官たちに「撃たれる前に打て!」という精神を培わせるのだ。
私などはどうしても昔の名前である「桂三枝」と言いたくなるのだが、もう6代目「桂文枝」を襲名して13年も経っている。それなのに、未だに「三枝」と言いたくなるのは、妙に、その名と本人の 続きを読む
愛知県豊田市で19歳の女性・東川千愛礼さんが、刃物で胸などを刺され玄関先で死亡しているのが発見された。その翌日、京都方面に逃亡していたとみられる元交際相手・安藤陸人(20歳)が殺害 続きを読む
最近、見知らぬというか、聴き慣れないというか、政党が次々と誕生している。時代の変化は、当然、政界にも及んでいて、昔からの“弱小政党”はだんだん忘れられつつある。そこで…というわけで 続きを読む
ペルーのワスカラン山で日本人登山家ふたりが遭難し、その一人である登山家で医師でもある稲田千秋氏(40歳)が亡くなった。もう一人の登山家・寺田紗規氏(35歳)の方は救助されたが衰弱し 続きを読む
いつの頃からか北海道の十勝・大樹町と言えば「宇宙のまち」という形が根付き始めた。この町には、他にも「砂金のまち」とか「ミニバレー発祥のまち」とか「清流日本一のまち」とかいうアピール 続きを読む
今から13年前「東京」と「ニューヨーク」では、ほとんど変わらなかったものがある。ドル換算による当時の“平均月収”だ。やや意外な気もするが、それまでの日本は、そんなに“薄給の国”では 続きを読む
バブル期に放映され人気を集めた「笑ゥせぇるすまん」の実写版12回が、7月18日からテレビ東京系で配信されるという。その主役である“無料で幸せを売る男”喪黒福造役となったのがロバート 続きを読む
6月23日にフジテレビの制作部長が「常習賭博」の疑いで逮捕され、続く24日には現役アナウンサー(27歳)がオンラインカジノを行ったとして「書類送検」された。実質、同じことを行ってい 続きを読む
ときどきTVから録画してあった大昔の映画を観る。昨日も80年代前半に公開された原田知世主演の「時をかける少女」を観た。この映画は筒井康隆氏の小説を脚本化したもので、ちょっとSFっぽ 続きを読む
歴史の教科書に出て来る「ハンムラビ法典」その中に「眼には眼を、歯には歯を」の一節がある。これは一般に誤解されやすい諺でもあるのだが、本来は「眼を潰されたなら、相手の眼を潰し、歯を抜 続きを読む