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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「見せるリポート」より「泥臭いリポート」を…


フジテレビの番組で安藤優子キャスターが現地リポーターの女性に、暑さの中で熱中症気味になってしどろもどろの状態での「報告」を執拗に継続させようとしたとして批判を浴びている。この手の番組は多いので、必ずしも彼女が批判されるというより、現地入りさせて何時間も取材させたのち“報告させる”手法そのものに、問題の本質があるよう思われる。臨場感を出すために、その時々の異常な状態を現地取材させるのはニュースやワイドショーにおける定番のやり方だし、そのこと自体が間違っているとは、私は思わない。実際、アナウンサーやリポーターを目指した人の中には、そのいう現地取材や報道をやりたくて報道記者やリポーターを目指した人もいると私には思われる。ところが、多くのニュース番組やワイドショーなどでは、そういう元々が“希望していた人たち”を現地に向かわせたがらない。“見た目的”にというか、“絵面的”にというか、TV画面に登場させると視聴者受けしそうな人物を現地に向かわせがちである。例えば強風の時に、枯れ枝のような細い身体の女性をリポーターとして現地に向かわせる。その方が臨場感が伝わりやすいからだ。もちろんニュースやワイドショーに一般の視聴者が、そこまでの演出を求めているかは疑問である。ただ各局が視聴率で争いを演じている以上、少しでも「臨場感のある取材をしたい」と意気込むのは解からないでもない。問題は人選にあるのだ。日本の場合、リポーターという職業自体が実に曖昧である。アナウンサーなのか、報道記者なのか、タレントなのか、専用リポーターなのか、ほんとうのところよく解からない。時には、キャスターがリポーターを兼ねているケースも多い。本来、危険な現場にも出かけるリポーターはそれなりの訓練とか体力とか素質を供えた人にすべきだし、そういう規定を早く作るべきだ。そうでなければ、そのうち問題になるようなことが必ず起こる。なぜか厳寒の中で「天気予報」をさせる北海道の各局も考え直した方が良い。
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