人生はとかく理不尽である。信じられないような出来事が時々起こる。予期せぬ災難が、自分に降りかかって来ないという保証は誰にもないのだ。彼女の場合、それまでも決して“順調な人生”だったわけではない。出生した時から、既に“批難”と“憎悪”は始まっていた。親戚の中には「殺してしまうべきだ」と主張する者もいた。けれども、祖母がそれを制して、彼女は命拾いをした。理由は先天性の“病気”だったからだ。遺伝子疾患である「アルビノ」メラニン色素を作る機能が損なわれている病気だ。その結果、黒人であっても“白い肌”で産れる。日本人でもいるのだが発症率は少ない。アフリカ人の場合には、日本人の十倍以上の発症率を持つ。先天性の病気だが、黒人の中の“白人”で目立ちやすい。そして“災いの元凶”という迷信が抜けない。さらに、その身体の一部を使って呪術を行うと“願い事が成就する”という迷信がアフリカ全土にはびこっている。したがって、その身体の一部は闇市場で“高額取引”の対象となる。その結果、集団で襲われる事件が後を絶たないのだ。今年11月、東京で行われた“アルビニズム会議”に出席したタンザニアのマリアム・スタンフォード氏もアルビノの一人だ。彼女の場合、25歳の時に、呪術師を含む6人の集団に深夜襲われ、両腕を失った。その当時2歳の息子がいたのだが、その子の目の前で両腕を切り落とされたのだ。それが欧米にも報道され、彼女には無償で“両腕(義手)”がプレゼントされた。世界が“味方”してくれるように変わった。それによって、生きる希望を見出した彼女は編み物をおぼえ、セーターやスカーフを縫って生活ができるよう頑張っている。今年10月にはアフリカの最高峰キリマンジャロにも登頂した。両腕を切り落とした犯人たちも捕まったが、彼女は恨まない。「彼らを許したい」という。許さなければ、いつまでも“心の平和”を取り戻すことが出来ないからだ。ここが一番重要なところで、理不尽なことに出逢った時、多くの人は「死ぬまで許さない」と思う。その気持ちは痛いほど解かるが、それでは時計が止まってしまう。だから、無理にでも“忘れる”か“許す”しかないのだ。そうすることによって、人は“未来”に向かって歩みだすことが出来る。もし、彼女が後ろを向いたままだったなら、東京へは来れない。編み物で商売をしようとはしない。キリマンジャロなど登るわけがない。彼女は、自分のような人が一人でも減ることを願って、世界のいろいろなところに出向き、大勢の前で体験的人生を話そうとする。両腕を切り落とされても、希望を持って生きていくことは可能なのだ。
誰でも、自分の未来が“良いもの”であって欲しいと思う。それは万人に共通している。ただ、それが“万人にやって来るか”というと、それは違っていて、やって来る人もいれば、やって来ない人も 続きを読む
人はときどき「あれれ…」という驚きの気持ちで記事を読み進めることがある。そりゃそうだ。なにしろ、今わたしが居住しているマンションというのは「白石警察署」の“斜め後ろ”の位置にある。 続きを読む
近年、静かなブームとなっているのが「ボディビル」だ。昨日、ボディビル界のレジェンドである49歳の木澤大祐氏が初優勝した。20年間、常にファイナリスト入りしながら優勝は出来ずにいた。 続きを読む
どういう分野でも、常に“高み”を目指している人は居る。もう“知り尽くされている”ように視える事柄でも、それに満足しない人たちによって“新たな技術”とか“製法”とか“発見”とかがなさ 続きを読む
今年ほど「日本の“円”」が右往左往している年はない。大体がいつもは“一方方向”へと、ちょっとずつ引っ張られていくことが多いのだ。それが今年は“あっち”へ行ったり“こっち”へ行ったり 続きを読む
通常の事業と違って“高齢者施設”とか“介護施設”とか“児童保育”など公共性の強い事業の場合、或る程度、その地域における行政機関が“一定の基準”を設けて監督・指導する義務があるよう私 続きを読む
人間というのは、本人が「自分のことを一番よく知っている」と思いがちなものだが、こと“自分の魅力”というものに関しては、明らかに“他人からの眼”からの方が的を得ていることが多いものだ 続きを読む
昨年の7月にススキノで猟奇的な「首狩り殺人」が行われた事件で、共犯容疑で逮捕された母親の公判の中で承認に立った父親が提出した田村瑠奈被告と父親との“録音された会話内容”が大変に興味 続きを読む
いつも思うことだが、人間というか、人類というか、決して生命体としての「地球」に勝つことなど出来ない。人類はほんとうに“ひ弱”で、地球に“手も足も出ない存在”だということを再認識する 続きを読む
やや奇妙な形で“石破新政権”が誕生したかと思ったら、日本テレビとフジテレビが相次いで、新首相が30日に「衆議院解散の意向を表明する」との一報を流した。ほんとうなのだろうか。二つのテ 続きを読む