多くの場合、組織において上位に立つ者が、配下の者たちに対して“心身が苦痛を感じる行為”を強要するのが「パワーハラスメント→パワハラ」と称される。近年、日本でも、この「パワハラ」に関する訴訟が多くなった。ところが昨日、この訴訟に踏み切った女性がハローワークの職員だったことで一気に注目が集まった。ただ、どうもいまひとつ事情がつかめない。問題のハローワークは静岡市なのだが、訴状によれば“元上司”だけでなく、その上司を処分しなかった“国”をも相手取っている。つまり「国」も一緒になって、私に「パワハラ」してるんでしょ、というような印象の訴状なのだ。ちょっと待ってよ…と思うのが“普通の考え”ではないだろうか。確かに「パワハラ」は良くない。元上司を訴えるのは解かる。けれども、国まで訴えるのはどうなのか。監督不行き届きということなのだろうが、それを言ってしまったなら、学校の「イジメ自殺」など、すべて国の監督不行き届きで、数えきれないほど存在することになる。しかも、この女性の“訴え”そのものも、いま一つ要領がつかめない。彼女の訴えによれば、2015年1月、当時50代の男性上司から、腕を3回、拳で殴られた、ということらしい。まず「腕を拳で殴る」とは、どういう状況なのか。なかなか状況設定が難しい。通常、人が人を殴る時、頭、顔、腹などを殴る。よほど不可思議な状況配置でなければ“腕”は殴らない。しかも、腕だけを3回も殴らない。一応、考えられるのは、彼女が上司の元へと書類を持っていき、その時、椅子に座っていた上司が書類を持っていた彼女の腕に続けざま拳で3回小突いた、という設定だろうか。それ以外の設定は中々思い浮かばない。もし、そうだとすれば、確かに暴力ではあるが、打撲するほどの暴力ではなかったことになる。もちろん、彼女は涙ながらに「死んだら楽になるのかと考える日々が今も続いている」と訴えた。よほど精神的にショックを受けたのであろう。ただ、それなら何故もっと早く訴訟を起こさなかったのか。2015年1月から現在まで2年半も経過している。昨年離婚した乙武氏の元妻がこの度訴訟を起こしたが、離婚後1年も経過していない。しかも、乙武氏がTV出演して話した内容に基づくもので、その経過期間には“違和感”がない。けれども、こちらの方は、あまりに時間が経過しすぎている。理解してあげたいが、いま一つ説得力が…。
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