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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「農家の息子」ではなく「和菓子屋の息子」⁉


わたしはときどき「自分は何者なのだろう」と思うことがある。昨日も、そう思った。大量の“生のトウモロコシ”が届いたからだ。仕方がないので、その皮むきをした。それをしながら「オレは農家の息子だったのだろうか」と思った。そうではない。わたしは「和菓子屋の息子」だったはずだ。本来なら、その後継だったかもしれない。ところが、私の父親はいろいろあって、わたしが生まれる直前に“和菓子屋”を投げ出した。というか倒産して「夜逃げ同然に北海道へと逃げ延びた」らしい。いや、それも本当かどうか、わたしは知らない。とにかく、わたしだけが“その辺の事情”をよくわかっていない。なぜか、子供の頃も、大人になってからも、みんな私には教えてくれなかった。まあ、わたしも“そういうこと”に興味がなかったので、訊こうともしなかったのだが……。とにかくそういう事情で、わたしはほんとうならば三店舗くらい経営していた「和菓子屋の息子」だった。だが、わたしが子供の頃の父親に“その面影”はなく、せいぜい毎日貧しいのに“お茶菓子”を切らさなかったこと、お茶も“高級茶”しか飲まなかったこと……そういう部分に“高級和菓子屋”の名残が残っていた。もっとも、わたし自身は“洋菓子”の方が好きだったし、そういうものは“買うもの”であって、自分が“作るもの”だと思ったこともない。父親の方も、自分の過去を振り返るようなことはたまにあったが、私に「和菓子屋になれ」と勧めたこともない。たぶん、自分の失敗を、それも“仕事以外からの失敗(⁉)”を知られるのが嫌だったに違いない。だから、四人の子供たちは“それぞれの職”に就いたが、和菓子屋を目指したものは無かった。ただし、父親の祖父は“易や家相に財産をつぎ込んだ男”だったらしい。父親は何故か“そのこと”を憎んでいて、だからわたしが“その方面”へと興味を持ったことを極端に嫌がっていた。そして“そういうこと”に興味を持ったのは「お前のせいだ」として母親を罵倒していた。なぜ罵倒するのか解からなかったが、とにかく気難しい人だったので、母親も黙って耐え忍んでいた。今なら「モラハラ」の典型的な人物だった。こうして、わたしは何故か父親ではなく“その祖父”の「血」を受継いだのかどうか判然としないが、ともかく“家系的な何か”を、もしかすると引き継いでいるのかもしれなかった。
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