広い国土を有するアメリカや中国と、比較的狭い面積の日本やヨーロッパ諸国とでは、その生活感覚とか恋愛心情とかも微妙に異なっているような気がする。広い大陸型の感覚や心情は、総じて大雑把である。何しろ国土が広いのだから、繊細な心情など育ちようもない。だから多分このような発想に、誰も“違和感”を抱かないのだ。中国における新興のIT企業が、このほど「デリバリー用ロボット」を年間10万台目指して生産を開始した。そのアピール動画が公開されたのだが、はるか彼方に暮らす恋人の元へデリバリー用のロボットが大切なものを届けに行く。その大切なものとは“花束いっぱい”と“プロポーズのメッセージ”だ。……確かに、大切なものではある。けれども、デリバリー用ロボットは当然のことながら“無人”である。無人だが、ちゃんと間違えずに本人の家を特定し、彼女の部屋のチャイムを鳴らす。画像に映っているのは無機質なロボットだ。ロボットと言っても「顔」などはない。必要ないからだ。デリバリー用の“品物”を届けるのが役目だからだ。そのロボットに対して玄関を開くと、無機質な車台が中に入り、音声だけで顔もない車台から「プロポーズの言葉」が述べられる。そして、荷物を開けば花束が入っている、という仕組みだ。これを「PR動画」として制作し、中国とアメリカとでは何の“違和感”も持たずに受け入れられている。多分、この動画は多くの中国人やアメリカ人に、何百キロ遠く離れていても、恋人に“愛のこもったプロポーズをすることが出来る”と思わせたことだろう。そうでなければ、年間10万台の生産を目指す、というアピール動画にしないだろう。繊細な心を持っている日本人には、この“無機質なロボット”が…というか、せめて「顔」くらい着けろと言いたくなりそうなロボットから、“プロポーズのメッセージ”を贈られ喜ぶ女性がいるだろうか。何かが違うような気がする。箱から“花束がいっぱい”出て来たとしても、それで単純に嬉しがるのは、中国やアメリカの女性達だからなのではないだろうか。日本女性なら、まず、その無機質さに“心寂しい”思いになって、どうして直接花束を手渡そうとしないのか、直接、自分の口から述べてくれないのか、ぬくもりの感じられない“プロポーズ”に素直に喜ぶ女性を想像することが出来ない。朝の経済番組でロボットの「サキちゃん」が今日の株価予想をする。そのロボットは一応顔はついているのだが、それでも「人」として扱うのはあまりに不自然だ。おそらく日本人なら誰もがそう感じている。それでも、何十年か先には、日本人も同じようにデリバリーで“プロポーズ”するようになるだろうか。日本人が遅れているのか。中国人がいびつに進みすぎたのか。何十年か先、答えが出ている。
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