「ひばり御殿」とも称される「美空ひばり記念館」の経営危機がこれまでにも何度か報道されている。それが今回は実弟の長男で“養子”となっている加藤和也氏が泣きついて、パチンコメーカー「京楽」が“肩代わり”する形で窮地を救っていたことが報道された。生前、美空ひばり氏が実の子供のように可愛がり、その“全遺産”を相続した加藤和也氏だが、近年は「借金」の話しか聞こえてこない。多くの人が最初に加藤氏を知ったのは昔、異色のTV番組として注目を浴びた「マネーの虎」に出演して以降のことである。その番組では、当時、一世を風靡していた“大金持ち”たちが、何らかの事業を立ち上げようとしている若者たちに“必要な資金”を提供して、その後の事業を応援する、という内容だった。もちろん投資資金なので、もし儲かれば“出資金”以上の見返りがある。但し、事業が失敗して投資金を失ったとしても、それは自己責任という方式で、“事業企画”を持ち込む方も、受けて立つ出資者の方もガチンコで真剣なやり取りが大変に面白かった。その“貸し出す側”として「若き成功者」として、大金持ちとして出演していたのが加藤和也氏であった。言ってみれば、現在とは“逆の立場”だったのだ。もっとも、この番組は奇妙な番組で、ここに出演した多くの“大金持ち”が、その後になって事業が破たんし、零落してしまっている。まさに、奇妙な“因縁”としか言いようがないが、中には無一文になってしまった人物さえいる。そういう意味では、まさに「マネーの虎」の典型が加藤和也氏なのだ。私の研究によると「金運」が身に付く人というのは、決して“一挙に”身に着けてはいない。もちろん、或る時期から“急拡大”することはあるのだが、基本的には“徐々に増えていく”タイプの金運を持っていて、一挙に何千万とか、何十億とか、あっという間に手にしていくような人は稀である。大体、あっという間に手にする場合というのは、何の苦労もなく“手に入れる形”で、そういう形で手に入れたお金というのは“身に付かない”ケースが多い。もっとも、中には“投資”や“ギャンブル”や“遺産”によって、何千万、何十億と手に入れる人たちがいないわけではない。ただ、そういう人で、その後もお金を増やしていくのは元々“特別な金運”を持っている人で、十代の内に何千万なり、何十億なりを手にしている場合が多い。もちろん、そういう人であっても、長い人生の内には“借金”を背負うようなことがあったりする。それでも、そういう人達は、仕事に対しては人一倍“意欲的”である。黙っていても、お金が増えていくような人ほど、仕事を“生きがい”としている人が多い。そういう意味では加藤和也氏は本当に“自分の仕事”と言えるようなものを持っていたのだろうか。
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