3月8日の「国際女性デー」を前に、政治家・野田聖子氏が朝日新聞のインタビューに応じている。そして女性たちに向けて「自分の心に素直に動こう」と発信している。彼女は今、何よりも先天性の心臓病を持つ息子の母親だ。その“母親の顔”が前面に出ているメッセージとなっている。実に、彼女は3年間で8回も“体外受精”を受けていたらしい。それくらい必死で“母親”になろうとした。彼女は明らかに「運命」に逆らったのだ。人間、誰でも“中年”と呼ばれる頃に差し掛かると、おぼろげながら運命として自分に“与えられているもの”と“与えられていないもの”とを何となく把握する。占い的にというのではなく、本能的に感じ取るものだ。少なくとも自分を“客観視”できる人というのはそういうものである。もちろん賢い彼女のことだから、自分に“子供運”がないことを本能的に感じ取っていたに違いない。けれども彼女はあきらめなかった。そうして、半ば強引に“我が子”を得た。けれども、そうやって得た息子は“先天的な疾患”を持っていた。心臓に持病を持っていたのだ。望んでいた“我が子の姿”とは違っていたに違いない。それでも、今の彼女は母親らしく穏やかとなり、とても幸せそうである。40歳までの自分を「男だった」と反省している。そうして嫌でも“弱者の眼”で物事を捉えることが出来る立場に変わったと告白している。それにしても最初は自費出版で出すつもりで『私は産みたい』を著述していたらしい。その思いの強烈さがわかる。つまり、運命とは、それだけの“強烈な思い”があれば覆すことは可能なのだ。但し、それだけの“代償”は払わなければならない。彼女のように、それを覚悟であれば、神は“強引に掴み取ろうとする”ものを引き剝がしはしない。
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