北朝鮮に生まれ、13歳の時に母親とともに川を渡って脱北し、中国に遁れて潜伏生活をし、その後、モンゴルから韓国へと渡り、猛勉強して大学に進学するまでをつづった手記『生きるための選択』が日本でも発売されます。著者パク・ヨンミさんはダブリンの国際会議で体験スピーチを行い、一躍、世界から注目を浴びました。この手記は世界20か国で発売されるようです。彼女はインタビューの中で「選択の自由」が与えられる国に“生まれ変わりたいとは思わない”という趣旨のことを述べています。過去があるのだから“今の自分がある”という捉え方のようです。よく「時代」や「国」や「家庭」が違って生れていれば“このようにはならなかった”と嘆く方がいます。私自身も、子供の頃はそうでした。もっと“裕福な家庭”とか“恵まれた境遇”のもとに生まれたかったと思ったものです。そうすれば“苦労せず”生きられると思ったからです。けれども「選択の自由」がなくても「幸福」は掴めるのです。逆に「選択の自由」があっても「幸福」になれないこともあります。産まれた時の「環境」「境遇」は“ドラマの始まりに過ぎない”からです。
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