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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「限界集落」が「未来コンビニ」で観光地に⁉


標高1000m級の山々に囲まれた過疎地である徳島県那賀町木頭地区……50年以上前には4000人以上の人達が居て活気があったが、今やその四分の一にも満たない「限界集落」だ。数年前まで“何一つ”自慢すべきものがなかった。けれども、この木頭地区から大志を抱いて東京に出て成功した人物がいた。現在、東証一部上場の「メディアドゥ」創業者である藤田恭嗣氏だ。彼は“故郷”を見捨てなかった。何とかして“活気”を呼び戻したい。その想いが「世界一美しい」と称されるようになった「未来コンビニ」の出店だ。元々学校だったところの広い敷地を安く借り受け、天井以外の四方をガラス張りとし、広い空間に地元木材を豊富に使って「Y字形」“ぬくもりあるショッピング空間”を作ることに成功した。もちろん、事業家である藤田氏は、ただ単に“美しいコンビニ”を作っただけではない。地元で生産した食品などを販売する拠点ともしている。いつしか「未来コンビニ」の名は知れ渡って、最近は県外からも買い物がてらにやってくる観光客が多い。そのユニークな外観は「日本空間デザイン賞」でグランプリも受賞した。もちろん藤田氏は嬉しいはずだが、彼の本当の狙いは、このコンビニで育った子供の中から「世界へ羽ばたく若者」が生まれてくることにある。奇妙なもので、日本の場合は全国どのような地域からでも有名人や成功者が出る。それは幼少期からの“教育環境”が整っているからだ。どんな過疎地でも、辺境の地域でも、日本の場合には学校があり、必要な教師が赴任されてくる。時には生徒数より教師数の方が多いという学校だってある。過疎地や限界集落ほど、教師や医者を大切に扱ってくれる。われわれは普段気付かないが、日本の“幼少教育”はそういう点から言えば素晴らしいのだ。ただ近年「買い物難民」の問題が指摘されてきた。それに対するヒントを、この藤田氏がつくった「未来コンビニ」は指示している。必ずしも、大手のコンビニチェーンだけが出店しなくても、遠方からもやって来るような「観光名所にもなるコンビニ」が出来れば、採算としては成り立つのだ。この地域のように“使われていない敷地”を貸し出す形をとれば、人口減でも商売として成立しやすい。文字通り「未来コンビニ」なのだ。
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