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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


いっせいに飛びつき、いっせいに引く


いつだってそうなのだ。日本のマスコミ報道というのは“横並び”でしか動かない。10月1日、日本のマスコミはノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏をいっせいに報道した。もちろん、ノーベル賞の受賞なのだから、いっせいに報道するのは当たり前である。ただ加熱したマスコミは本人がそのようには言っていないのに、彼の発見はがん患者に対する“究極の治療法”の新薬として結実したかのように報道した。特にワイドショーなどでは、その新薬「オプジーボ」が“がん患者の命を救う”かのような形で紹介されたりもした。もちろん、全国のがん患者がこれらの報道に反応したのは言うまでもない。それを用いれば、自分のがんも治るのではないか、そう単純に考えたとしても無理はないのだ。ところが、この“免疫療法”はそれほど単純なものではなかった。患者たちからの反響の大きさに戸惑ったのは医療関係者たちだ。誰にでも投与できる薬ではない。どのがんにも効く薬でもない。副作用も懸念される薬だった。つまり“がんの万能薬”などではない。マスコミ全般に対して種々な方面から“誤解を生じやすい報道”もあることが指摘された。それまで“夢のがん治療薬”のように報道してきたマスコミはいっせいに押し黙った。もちろん、免疫細胞にブレーキをかける「PD-1」の発見と、そのブレーキを外す研究はノーベル賞に値するものである。けれども、マスコミはもう本庶氏報道には過熱しないような気がする。実際、それ以降のノーベル賞に関しては簡素に紹介するだけだ。私は9月22日に《15人のうち7人のがん細胞が消えた》というタイトルで、本庶氏とは異なる「光免疫療法」というものがあることを述べた。詳しくはそちらの内容を見て欲しいが、副作用というものがなく、短時間で済み、高額な医療費ともならない。おそらく、こちらの方が“夢のがん治療法”なのだ。しかも、この方法のもっとも良い点は本人の免疫力が戻るので、再発しにくいことである。がんで亡くなる人が相次いでいる昨今、一日も早く正式認可され実用段階に辿り着くことが望まれる。

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