最近、女性でありながら“社会的に確かな地位・役職”を得ている人に注目が集まりがちである。マスコミもこぞってそういう人たちを紹介しがちだ。もちろん、女性が注目を浴びるのは良いことだし、社会的に活躍する女性の活き活きとした姿は、或る種“手本”として見習うべき部分も多い。けれども、世の中には“そういう人”ばかりがいるわけではない。むしろ、そういう人は“ほんの一握り”でしかない。多くの女性は“総活躍”とは無縁の中に居る。まだまだアルバイト・パート・契約社員になることさえ難しく、専業主婦になれるのでもなく、どこにも属せず、宙ぶらりんな状態で、世間の片隅で“凡庸と生きている”人の方が圧倒的に多いのだ。つまり“華々しく活躍している女性”など、実際には“極めてまれな存在”であることも把握しておかなければならない。では、そういう人たちには“活躍の場”はないのだろうか。とんでもない。そういう人の方が“実際には必要とされている”場合が多い。ただし“華やかな仕事”ではない。華やかではないが、その人にしかできない役割、つまり“たった一人の役割”があるからである。時にそれは、“恋人としての役割”の場合、“妻としての役割”の場合、“母としての役割”の場合などのことも多い。これらは“代役が利かない”からだ。或いは、世間的には“評判がよくない”かもしれないが、俗にいう“お茶を淹れてくれる女性”として、“コピーを取ってくれる女性”として…パート社員として雇われているかのような形も、実はその女性以外だと“今一つ”という場合もある。つまり、本人にとっては“不本意”かもしれないが、そういう意味で“たった一人の役割”を担っている場合もある。私が尊敬していた女性占い師の方は“指名されての占い業務”よりも、“孫のお守り”を常に優先していた。彼女は笑って「占いなんて誰でも変わりはできるけど、孫のお守りだけは私でなきゃダメなの」と言い放っていた。「でも先生を指名されているんですよ」若かった私は、思わず口をはさんだ。「大丈夫、ここに大先生がいるから」彼女は、私を指さして、そういわれ、悠然と帰って行かれた。
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