ときどき「救いようのない事件」というものを眼にする。この事件の場合、もし、きちんと葬っていれば、やがて“新たなる出逢い”が訪れたかもしれない。ところが、自分が住んでいたアパートの押し入れに母親の遺体を冷凍庫保存したまま退去し、死体遺棄事件として逮捕された吉野由美(48歳)は、それをしていなかった。本人は、ある日家に戻ったら母親が死んでいて、母親名義で居住できた都営アパートなので、名義が変わって“追い出される”ことを怖れ遺体を隠した…と供述している。母親の死因はハッキリしていない。冷凍庫は死後になってネット購入されたもので、70㎝四方の小型製品なので、遺体を座らせて詰め込んでいた。それを押し入れに入れて十年間、一緒に暮らしていたことになる。家賃を滞納し、その部屋を退去せざるを得なくなって、家具もそのままに身を隠すためホテル住まいをした。元々は学年トップの成績を残す優等生だったようだ。ところが家庭の事情から大学への進学をあきらめ、就職したが続かなかった。一時期は運送会社に勤めて大型の免許も取って、同じ会社の社員と結婚したが、長く続かなかった。その後は勤め先も変えて父母と暮らしていたが、父親が亡くなり、母親が“心の病”を患った。昼夜を問わず奇声を発するというので、近所の人達から“施設入所”を勧められていた。やがて母親は奇声を発しなくなった。本人曰く「死んでいた」からだ。こうして、彼女は“母親名義”のまま一人暮らしとなった。一時的には「風俗」で働いたらしいが、これもあまり長続きはしなかったようだ。こうして家賃が滞るようになった。死体遺棄したままで暮らしていると、必ず“怨念”を受けているかのような現象が起こる。「死人に口なし」というが、大いに疑問だ。この場合には、母親を十年間も冷凍庫に詰め込んで放置していた。もし、彼女が「家を失っても良い」というくらいの覚悟で母親を弔っていたなら、きっと、窮地からの新たなる出逢いが“仕事”の面でも“男性”の面でも出て来たような気がする。母親と暮らし続けたことが、結果的に“重い十字架”を背負うことになった。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む