毎年、この時期になると中国の「春節」が話題になる。実際、今年は1月27日から2月2日までの7日間、中華圏では「春節」による“正月休み”となって国内外に旅行者が溢れ出す。中国人にとって、日本はタイに次ぐ観光国なので大挙やって来るのは間違いがない。日本では「春節」のことを「旧正月」と説明することが多いが、厳密にいえば“太陰暦上の正月”で“旧”ではない。しかも、1月27日からではなく、正確には1月28日からが正月なのだ。まあ「大晦日」を含めて“正月休み”と表現しているのだから、別に間違いではない。日本では明治6年まで中華圏と同じく“太陰暦”を「暦」として日常で使用していた。したがって日本では「旧暦」という言い方になるが、中華圏では現在も使用しているので「旧暦」ではないし「旧正月」でもない。中華圏では「農暦」という呼び方も用いる。農家の方々にとって“役立つ暦”だからだ。日本の文化はアジア圏にありながら“欧米型”が多く、「暦」でも現在は“太陽暦”で、農作業に役立つ“太陰暦”は事実上使用していない。その代わりというべきか、民間暦としての「開運暦」や「運勢暦」の中に“太陰暦”が組み込まれている。ちなみに「立春」や「春分」などの“24節気”と“太陰暦”とは何の関係もない。勘違いしやすいのだが“24節気”というのは“太陽暦”の一種なのだ。“太陰暦”とは文字通り“お月様の形に基づく暦”のことで、ちなみに明日は“元日=1日”なので“月が見えない新月”となる。中華圏の占い師の中には、この「春節」からが“新しい一年”であると主張してやまない人たちがいる。確かに“太陰暦上の新年”であることには違いない。けれども厳密には「春節」という表現自体が間違いなのだ。よく日本の占い師で「立春」からの“一年”を、“旧暦上での一年”とか、“太陰暦上での一年”とか、初歩的な間違いを真顔で述べている方がいるが、あれも違うのだ。あくまでも「立春」は“24節気=太陽暦”による区分であり、それでいながら中国で3000年以上も前に確立されていた“本来の春節(節気による区分)”なのだ。
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