近年、特にヨーロッパで若者の失業率が急速に悪化している。中でもスペイン、ギリシャ、イタリア、スエーデンなどが著しい。25歳までの若者の失業率の方が、中高年の失業率よりもはるかに高いのだ。スペインなど若者の失業率は50%を超えている。二人に一人が“職を失っている”という状態なのだ。アメリカでも近年、さまざまな分野で“IT化”や“シェア化”が進み、雇用環境が厳しくなってきたことでストライキやデモが頻発している。日本の若者の失業率は、他の先進諸国に比べるとそんなに悪くない。数字だけでいえば、まだ“救いのある雇用環境”だ。ただ日本では「ニート」や「引きこもり」という形での“実質的な失業者”が多いので、数字上どう反映されているのか疑問だ。どうしてこうなってしまったのか、答えは簡単で先進国においてはあらゆる職種でコンピュータ化が進み、ロボット化が進み、少ない人手で“多くの仕事をこなす”ことが可能となってきたからだ。つまり、これまでは“若い人達”が行ってきたような“領域の仕事”を、コンピュータが黙々と効率良く正確に行えるようになったからだ。世の中が進んでいくことは本当に良いことなのだろうか。若者たちがもっとも大切にしている「IT機器」が、実は自らの職場を奪っていたのだ。
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