日本では最近、未来に関しては“浮かない話”が多い。せっかく海外からの投資資金を呼び込むのに“絶好のチャンス”だった「IR事業構想」も、一部のおかしな政治家が賄賂など受け取ったことで、もはや“汚い事業”にしか思えない。どうして日本に何千億円も投資してくれる事業者から、個人として先に数百万程度の賄賂を受け取ってしまうのか。政治家は「未来のために仕事をしている」という本分を、どうして忘れてしまうのだろう。その点で見習うべきは孫正義氏である。言っておくが、彼は政治家ではない。けれども、世界に“顔が利く”という点では政治家以上だ。実際、今回、インドネシア政府はアブダビのムハンマド皇太子、英国のブレア元首相、そしてもう一人、ソフトバンクGHの孫正義氏の三名を「首都移転計画」の審議会メンバーとして選出し「インドネシア政府の“顔”となってほしい」と期待をこめて内外にアピールした。インドネシアの首都ジャカルタは“世界一”とも言われる渋滞地域で、交通がマヒしているだけでなく、地盤沈下が深刻で一刻の猶予も許さない。厳密にいうと、予算のめどはたっていないのだが遷さざるを得ないのだ。けれども、そういう“経済支援”を必要とする中で、インドネシア政府は今回、中国を頼らなかった。中東とイギリスと日本を択んだのだ。もちろん、これは政治ではなく「民間からの支援」なのだが、他のアジア諸国とは“異なる選択肢”を見せつけた格好だ。そして、もう一つ、この“選択肢”に元インドネシア大統領夫人であった「デヴィ・スカルノ」の名はない。その代りのように「孫正義」を入れている。もっとも、いくらデヴィ婦人が資産家だと言っても、孫正義氏にかなうはずがない。しかも、孫氏はどんなに投資しても、要所以外は口出しすることが少ない。今回も3兆円から4兆円の支援を約束しているとも言われる。もちろん、商人である孫氏が“損得勘定”をまったく抜きにして支援するはずもない。けれども、少なくともそれ以前として、インドネシアの未来を見つめている。それを確信するから、インドネシア世府も「顔」となってほしいと要請したのだ。
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