いつから、こんな風になってしまったのか。トランプ大統領のひとことひとことが妙に耳障りで、世界に“重苦しい空気”を与え始めている。大体、大統領ともあろうものが少し「つぶやき」過ぎである。私は彼が大統領に就任する時、彼のホロスコープから「矛盾の王」であるとし、同時に「“サンタクロース”と“悪魔”が共存する就任である」と予見した。まさに、その通りに現在まで経過している。奇妙なことにアメリカは、トランプ氏が大統領になって以降、経済面は好調に推移しているが、狂気の事件やトラブルも続発している。彼の「つぶやき」が株価を激しく上下させ、対立地域に緊張をもたらしている。身内からの離反者が相次ぎ、側近が次々と入れ替わっていく。世界で人種間、民族間での争いがあらわになり、共存共栄からも世界平和からも遠ざかっていく。昨日、アメリカの下院トップであるライアン共和党議長が11月の中間選に出馬せず、政界引退の意向であることが報じられた。これによって、共和党の資金集めに影響が出て来るのではないかとの見方が出ている。ライアン氏の影響力は強く、彼は「将来の大統領候補」と言われていた人物だ。もちろん、今回の決断が、ライアン氏個人の問題なのか、現大統領に関係してのことなのか、今のところ分からない。けれども、トランプ氏が数多くの優秀な共和党政治家を辞任とか引退に追いやったことは事実で、そういう点でも「矛盾の王」なのだ。ロシアのプーチン氏も、中国の習近平氏も、必要な時以外は口を開かない。元々ビジネスマンで“対決型”のトランプ氏は、真正面から挑んでいくところには好感が持てるが、あまりにも敵を作り過ぎていて、やがて味方が“誰も居なくなった”という可哀想なことにならないか、それだけが気掛かりだ。
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