2月1日、ミャンマーで事実上の国軍クーデターが起こり、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が拘束された。他にもウィン・ミン大統領など多数が拘束され、今のところ、国軍総司令官ミン・アウン・フラインが行ったクーデターは成功したように見える。クーデターが起きた理由は、昨年11月に行われた総選挙で国軍は「二重投票が行われた」疑念を持っていて、新政府が樹立される予定だった2月1日を、何んとしても“強行阻止する”手段に出たということだろう。国軍が、何を根拠として述べているかは不明だが、総選挙では「860万人分の不正があった」と主張していた。真実は不明ながら、もしも、そういうことがあったのだとすれば、強硬手段に出たのも理解できないことはない。それにしても、アウン・サン・スー・チー氏というのは「軟禁の運命」が“似合う”などと言ってはいけないのだが、またしても…という風には誰でも思うのではないだろうか。しかも、今回の場合には、前回ほどの“同情”は呼びそうにない。なぜなら、1991年に「ノーベル平和賞」を受賞した彼女は“民主化の旗手”のような扱いを受けたのだが、その後、自らが事実上の国家指導者に就任してから、推定100万人とも言われる“国籍を持たないロヒンギャ”族の問題に対しては、沈黙を守り続けていて“解決に導いた”とは言えないからである。彼女自身が言うように、確かに問題は根深く、国民感情も絡まっているので、解決は容易ではない。ただ推定100万人もいるのに「不法民族集団」という形で、国籍を与えない、というのはどう考えてもおかしい。ミャンマー人の9割は“仏教徒”で、対立してきた“イスラム教徒(ムスリム)”「ロヒンギャ」族を受け入れがたいのは理解できるが、“国籍”と“自由な往来”と“選挙権”くらいは認めてやった方がよい。結局、一定の区域以外から“出ることを禁じている”現在の状況は、文字通り「軟禁生活」と同じであり、今回、彼女がもう一度味わうことになった「軟禁の運命」は、そのままロヒンギャ族の“恨み”がもたらしたもの…にも思えてくる。「民主化の旗手」が権力を握って“旗手”ではなくなった時、神は、もう一度「軟禁」を与えたのではないだろうか。
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