私が昔好きだった歌の一つに「人形の家」がある。この歌の歌詞の持つ“もの哀しさ”に妙に惹かれていた。先日、BSで作詞家「なかにし礼」氏の特集番組があり、その中で彼がこの歌について、終戦時の満州に居た日本人のことを歌った歌である、と解き明かされた。「♪ほこりにまみれた人形みたい 愛されて 捨てられて 忘れられた部屋の片隅」終戦時に「日本」という国家から見捨てられ、ボロボロになって満州を生き延びた日本人の悲哀を謡ったものだと明かされたのだ。確かに、そういわれれば“ほこりをかぶった人形”というのは、“使い捨てられた命”であり、かつて日本が統治した満州は“部屋の片隅”に違いなかった。けれども、実際の歌唱は、それこそ人形のように美しかった当時の弘田三枝子さんが熱唱したもので、あの頃の歌声は本当に素晴らしかった。そして、久しぶりで見た“全身整形美女・ヴァニラ”さんに、どことなく似ていないでもなかった。けれども、あれから何十年も経ち、弘田三枝子さんは変わってしまった。なぜか痩せ衰え、そして声が出なくなった。久しぶりで見た“全身整形美女・ヴァニラ”さんも、一時期感じられた“人形のようなオーラ”は消えていた。何かが違う。全身30か所以上を整形し、2000万以上を注ぎ込んだ「芸術作品」と言って良いが、既に“頂点”は過ぎたかのような“人間臭さ”がにじみ出るようになってしまった。もちろん、彼女は人間なのだから、或る意味ではその方が良い。けれども、それは本来“彼女が目指している姿”ではない。彼女は「フランス人形」になりたいのだ。美白のため“日中の活動は避けている”というのを知って、私はかつての「美白の女王」鈴木その子氏を思い出した。彼女は“普通に白かった時”とても美しく、健康的だった。けれども過度に“白くし過ぎた時”、私は危険だと思った。“霊的な白さ”に思えたのだ。そう思っていたら、あっという間に亡くなってしまった。彼女が建てようとしていた“美白御殿”はどうなったのか、ヴァニラもその“危険な階段”を上り始めたような気がする。
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