海外の邦人に関するニュースは、よほど大きな事件とか事故とかでない限り、持続的な報道はしない。おそらく今回も“新展開”でも出て来ない限り「そういえば、そういうことがあったな」というような感じで過ぎてゆくかもしれない。8月31日、南米アルゼンチンの北部ウマワカ渓谷のホテルから一人の日本人女性が“行方不明”となっていることが明らかとなった。亀掛川俊子氏(60歳)は一人旅でそのホテルに訪れ、24日から滞在していた。そして26日の朝に衣類やパスポートなどを部屋に残したまま一人で外出し、そのまま姿を消してしまった。ウルトラマラソンを趣味としている女性で、見掛け上は60歳には見えない。おそらく海外の一人旅もなれているに違いない。けれども、人けの少ない地域で早朝に一人で外出するのはあまりにも危険である。もしかしたら毎日の習慣で、ホテルの近くを走って廻ろうとしたのかもしれない。事故か事件かは解からないが、予期せぬ何かに巻き込まれたのは間違いがない。同じように事故か事件に巻き込まれたと思われるのがフィリピンに滞在している日本人の奥村信司氏(52歳)である。彼は現地で働いている人物だが、マニラ近郊の会社を出た23日の午後5時以降の足取りがつかめていない。真面目な人物で一度も休んだことがなかったのに、休み明けになっても出社してこないところから、現地警察の方に27日捜索願いが出た。昔と比べれば、多少、治安は良くなったかもしれないが、フィリピンにしろ、アルゼンチンにしろ、元来がそれほど“安全な地域”ではない。海外の場合、大都市の中心部と観光地の中心部とは比較的安全である。それ以外のところでは“気を許せない”。特に言葉が“通じない地域”と“道路が整備させていない地域”は要注意なのだ。日本なら外国人が田舎に行ってまごついていても、それを標的に集まってくる輩などいないが、海外の場合は必ずと言ってよいほど“怪しい人物”が近寄ってきたりする。大昔、フィリピンに行った時、大きな劇場から出た直後、子供達に取り囲まれたことがある。何か解からないが口々に物言いながら手を差し出すのだ。10人くらいの子たちが当然でもあるかのように手を出し詰め寄って来ると、言い知れぬ恐怖が襲ってきた。現地女性が一括し、子供達が離れたすきに急いで車に乗るよう指示された。イギリスの郊外でも、集団で6名くらいの人物に後ろから付き纏われた。海外では私のように“無防備な者”は狙われやすい。そこでバッグなど持たずに街を歩くようになって以降は、そういう経験をしなくなった。ポケットにそのまま財布を入れて持ち歩いた方が、バッグを肩にかけるより狙われずに済むのだ。
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