二つの本が密かに売れている。その一方は50年以上も前に出版された『ペスト』という小説。もう一方は10年前に出版された『首都感染』という小説。『ペスト』の方は累計で100万部を突破した。ノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュ氏の小説で、ペスト感染の拡大防止のため封鎖されたアルジェリアの港町で闘う医師らを描く長編小説だ。『首都感染』の方は累計で7万部に迫る。1999年にミステリー大賞でデビューした高嶋哲夫氏の小説で、強毒性を持つ新型インフルエンザの感染拡大を防止するため首相が東京封鎖に踏み切るサスペンス系の小説だ。どちらも“新型コロナウィルス”ではないが、感染症の恐怖を扱っていて、街を完全封鎖するという点で“今日的な情景”を先取りしているかのような小説だ。しかも、片方は50年以上前の小説であり、もう一方も10年前の小説である。歴史は繰り返し、人間の営みは変わらない。そして古来から「事実は小説よりも奇なり」という。小説はときどき“過去を再現する”が、同時に“未来を先取り”もする。そして、そういう時に、人間として本当はどう対応すべきなのか、示唆していることもある。賢い人はだれでも“過去の体験”から、未来に起きて来る“予測される現実”への備えをしようとする。多分、この二つの本がそれほど宣伝を掛けるでもなく、じわじわと売れていくのは、より“身近な出来事”として読めるようになった今だから、人々が本能的に手に取るのだ。そして、よりリアリティーのあるものとして受け止め、小説としての面白さを感じながらも、現実的にはどう対応すべきなのかを考える。それにしても、この日本でカミュの小説が累計にしろ100万部を突破したのは驚きでしかない。いかに動かしがたい歴史と、小説としての物語性とを上手く結びつけ、文学性豊かに描き出したか、傑作は時代を超えて読者を惹きつけるのだ。
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