これを読まれる99%の人が「何をバカな…」と思うことだろう。けれども、私は“人間の身体は機械かもしれない”と本気で思っている。だからこそ時々信じられないようなミスが生じる。機械として埋め込まれている部品が外れるとか、故障するとかするのだ。彼女の場合には、細菌やウィルスから身を守るはずの抗体の機能が逆転し、自らの“脳”を攻撃し出したのだ。その結果、中原麻衣さんは突然倒れた。すべての記憶が失われ、真夜中に奇声を発するとか泣き喚くとかした。徐々に意識が失われ、やがて昏睡状態に陥った。一時的には心肺停止にもなった。「意識が回復する見込みはない」医師は無情にも家族に、そして婚約者にもそう告げた。それでも、婚約者・中原尚志氏は奇跡を信じた。信じるしかなかったのかもしれない。やがて原因が突き止められた。「抗NMDA受容体脳炎」という100万人に一人以下しか発症例のない奇病だったのだ。そうして治療法が少しでも解かるにつれ、かすかな希望が出てきた。一年後に目が開き、それから半年後に人工呼吸器が外された。そうして倒れて5年後に、ようやく退院できた。ただ家族は認識できても、婚約者の記憶は戻らなかった。それでも日記帳などを頼りとして徐々に記憶が蘇り始めた。こうして“奇跡の結婚式”が2014年12月に行われた。この模様がユーチューブで公開され、多くの人達の感動を呼び、あっという間に映画化が実現。「8年越しの花嫁~奇跡の実話~」として12月16日より全国上映される。もし、人間の身体が「機械」ではないなら、いったん失われた機能は永遠に戻らない。けれども、機械なので、その部品さえ何とかすれば、元に戻っていく可能性があるのだ。実際、多くの手術は、そういう意識で行われる。内部的な“精密部品”は取り外しや入れ替えが難しいが、決して不可能なことではない。したがって、その部品だけの“入れ替え”や“故障修理”という意識で治療した方が、奇怪な難病とか、重い内部疾患も治りやすい気がするのだ。
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