私が前から述べているように「日本株」の動きを左右するのは、最終的には「ドル円相場」と「原油価格」に尽きる。一時期、経済アナリストなどが「ドル円や原油価格が相場を動かしていた時代は終わった」などと言っていたが、そういっていた人たちに、今回の“株価急落”の主原因を問いただしてみたいものだ。もちろんアメリカ株が急落して、その影響を世界中が受けているというのは事実だし、その背景に「新型ウイルス」があることもまぎれもない事実だが、実はそれにやや先立つような形で「ドル円相場」と「原油価格相場」が“微妙な動き”をし始めていた。これを書いている段階では、アメリカ株の取引は終わっていないが、多分、1800~2100ドル程度の下落で終わるのではないだろうか。こんなに急落したことはない。しかも、3月に入ってからの下落率は驚くほどで総計5000ドル以上も下落しているのだ。日本株もそういう点では引けを取らない。既にピーク時から4000円以上も急落している。昨日は一日の間に1050円も下落した。今日も、一時的にそのくらい堕ちてもおかしくはない。日本の場合、政府も、日銀も“打つ手”が限られているので、アメリカのように“一気に盛り返す”ということが出来ない。大体、世の中全体が2月に心配していた通りの展開になって来ていて、収束の目安が付くのは4月半ば以降となる。そうすると、それまでは「ドル円相場」が元に戻らない。これが日本にとっては一番の問題点なのだ。111円までじわじわと円安方向に向かっていたものが、一気に101円(現在は102円)まで数日で10円も動いたのだから明らかに異常である。原油価格にしても、私が日本株にとって継続的上昇が期待できる「60~80ドルの間」の少し手前、59ドル前後でしばらくの間は動かなかった。それが一気に急落して後、株価の方もおかしくなってきた。必ずと言ってよいほど、原油価格の方が先に大きく動く。現在の原油価格は30ドル前後まで落ちてしまった。これでは仮にアメリカ株が急速に元に戻しても、日本株はなかなか上向かない。ということは、日本の経済は“瀕死状態”がしばらく続くことを覚悟しなければならない。本当に、こういう予測は当たってほしくないので、政府か日銀がもっと“強力”なカンフル剤を打たないと、日本の景気がウイルスに侵されて…。
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