明日2月16日から中華圏の「春節」が始まる。つまりは「正月」の開始で、中華圏では「農暦」と呼ばれることが多い民間暦による“一年の開始”である。ここでいう中華圏とは、中国本土はもちろん、香港、台湾、マカオ、シンガポール、マレーシアなど華僑の多い地域全域への総称である。それらの地域も、公用暦としては日本と同じく「太陽暦」が使われているが、庶民感覚の行事のことごとくは「太陰暦(厳密には太陰太陽暦)」を現在でも用いている。だから中国人にとっては今日までは「前年」で、明日からが本当の「正月」ということになる。ここで日本人の多くは「なぜ“立春”である2月4日から“春節”にはならないのだろう」と疑問に思うかもしれない。実は、暦学的な観点から言うと、日本で採用されている“立春”=“春節の開始”という考えの方が正しいのだ。“春節”の“節”は「節気暦」から来ていて、その節気暦によれば今年は2月4日からが“節入り”だからである。ところが「太陰暦」の観点に立つと“節入り”後、最初の“新月=朔日(1日)”こそ「正月1日」だから、ここからが“本当の春節”だという解釈となる。より正確に言うと、表現的におかしいだけだが、元々「節気」という区分や捉え方は「太陽暦」に対しての概念で「太陰暦」の概念ではない。ところが日本でも昔から勘違いしている人が多いのだが「旧暦の正月」という考え方をしやすい。そうなると「旧暦」では「太陰暦」の中で、本来は太陽暦で用いる“24節気”を記載しているものだから、“立春”前後に始まる「正月」が“俗称”として「春節」と称されるようになっていったのである。まあ、この辺のところは“目くじら”を立てるようなことでもないが、天文学的には“立春こそ春節の開始”なのである。そういう観点から言うと、日本の場合には“神武天皇即位の紀元法”に基づく「皇紀2678年2月11日」からを“日本独自の春節”とすることもできる。タイ王国では「仏暦2561年」というブッタの入滅日から起算した暦が現在でも使用されているし、台湾では“辛亥革命”の1912年1月1日を起点とする「民国暦107年」という記載の仕方を現在もしている。ユダヤ教徒は“天地創造年”を起点としていて、今年は5778年になるそうだ。
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