東京都の小池知事が、東京目黒で起こった“5歳児童衰弱死”で両親が逮捕された問題を受け、児童相談所の児童福祉司の増員など“相談体制の強化”を打ち出した。そのこと自体は大変に良いことである。ただ今回は東京で起こった出来事ではあるが、このところ全国のあちこちで似たような問題が発生している。東京だけが良くなれば済むという話ではない。全国的に児童福祉司は増員すべきだし、保育園、幼稚園、小学校、中学校まで、児童に対する“生活相談員”というか、“カウンセラー”というか、“悩み”や“問題”を打ち明けられる相手、親身になって相談に乗ってくれる大人は絶対に必要である。児童が保育園や幼稚園に通う前、及び0歳~5歳くらいまでの児童には、地域ごとに“育児監視員”ともいうべき存在の“子育て指導者”も必要である。どうしてかというと、本当は子供を産むはずではなかったのに妊娠・出産してしまう母親もいるからである。そういう方達は、妊娠期間中でもきちんと出産や育児の勉強をしていない。だから、いざ出産した時に、どう育てていくかもわからない場合があるのだ。また、近年多くなったのが、シングルマザーに恋人や内縁の夫が出来た時、幼い児を虐待する傾向のあることだ。再婚して、新たな児が産れた場合にも、そういう傾向がみられる。これらの場合には、児童相談所だけでは対処しきれない場合も多い。各地域の役所と、児童相談所と、警察署とか、それぞれ連携しながら対応していく必要があるのだ。そうでないと、同じようなことが何度も繰り返される。警察署には“児童部門”とでも呼ぶべき部署が必要な時期に来ているような気がする。警察全般で関わろうとすると、どうしても“普通の犯罪”と同じような形で、見過ごしてしまうようなことになりやすい。それぞれの“専門家たち”が連携して、個々の問題や児童に当たっていくようにすれば、“死なせずに済んだ命”と嘆かずとも良いよう変えていけるはずである。
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