私にはどうしても解からないことがある。韓国民の心情だ。前大統領であった朴槿恵被告に対し、旧与党である自由韓国党は事実上の“除名処分”である離党勧告を下す決定をしたという。かつて日本でも、収賄罪で田中角栄元首相も逮捕されているが、誰一人「離党勧告」を口にする人などいなかった。もちろん、逮捕されれば、その政党にとっては不名誉なことであり、党を汚したことにはなる。それはそうなのだが、前大統領であり、まだ公判中のことで正規の判決も下っていない。その段階で、このような処置に踏み切るのが、どうにも私には釈然としないのだ。海外の政治世界では、しばしばそういうようなことが行われる。韓国の場合、大統領を辞めて後、殺害されるとか、自殺するとか、収監されるとか、あまりにも悲惨な末路を歩むケースが多い。もちろん、世界各地への“慰安婦像”の設置を推進させた張本人であり、日本の安倍首相との握手を拒否するなど、失礼極まりない人物ではあるが、韓国民にとっては自国の前大統領である。しかも、熱烈な支持のもとに大統領に就任した人物である。日本にとっては好ましくなかったが、彼女は彼女なりに韓国民のために努力していたのではなかったか。けれども、いったん事件が明るみに出て、評価が一変すると、誰一人彼女を庇おうとはしない。どうも、韓国民にはそういう“冷酷な一面”があるようだ。日本の国に対しての評価も、観光国としては人気が高く、個々の日本人に対しても極めて友好的である。けれども、ひとたび“政治・歴史・思想”問題になると、敵意を剥き出しにする。訊く耳を持たない…というような態度に変わるのだ。いわゆる“大人の対応”というものが出来ない国民性なのかもしれない。ここに来て前都知事の舛添要一氏が「都知事なんてやるもんじゃない」と嘆いているが、正に韓国の場合、収監されている刑務所から「大統領なんてやるもんじゃない」と嘆いている朴槿恵氏の声が聞こえて来そうである。
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