中国における「古代日本」の唯一の記録『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』の中に「黥面文身」とあり、卑弥呼の時代、日本の男子は大人も子供も「いれずみ」をしていた、というのです。「黥面」とは“顔への入れ墨”で「文身」とは“身体への入れ墨”のことです。より詳しく言えば、顔には“文字を入れ墨”して、身体には“紋様を入れ墨”していたようです。その“大小”とか、“左右”とか、“紋様の種類”には、それぞれに“呪術的な意味合い”があったようです。元々、海洋民族は身体に“文身を入れる”ケースが多いのですが、それはサメなどの海中生物に襲われないための工夫から来ていたようです。この日本の風習は、やがて“海洋民族”から“農耕民族”へと「倭(わ)の国」の主権が移るまで続いた、と考えられます。つまり、日本の祖先は元々“入れ墨を入れる”風習を持っていたということです。近年、タトゥーを施す“彫り師”の方々が「医師法違反」で次々と摘発されています。このほど“彫り師”の方たちが“刺青(いれずみ)”に関する「法整備を求める請願書」を約2万3千人の署名を添えて国会議員に提出されました。“日本の伝統文化を守ろう”との趣旨のようです。日本の場合、江戸時代後期からは“刑罰の一種”として、入れ墨を施すことが行われた時代もあり、現代では“やくざの代名詞”のような意味合いで捉える世代もあり、海外の“アート的感覚”で捉える世代もあり、それぞれのイメージが異なるので“評価が難しい”のが「刺青」です。卑弥呼の時代の“呪術としての文身”は、果たして受け継がれていくのでしょうか?
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