「歴史に学べ」という言葉があるが、どうも、中国の“習近平体制”には通じていないようだ。近年、中国では“愛国心”教育が盛んで「一つの中国」を国民に強制している。そこでは、台湾や香港やマカオやチベットは、いずれも「中国」であって、よその国ではない。個々の国的な観方、捉え方を許さない風潮が目立ってきた。それは“外資系企業”にまで及んできている。先日、マリオットホテルのグループがアンケートで個々の国的な扱い方をしている…ということで批判を浴び、5度の渡って謝罪するという事態にまで発展した。私は、過去に中国本土にも、香港にも、マカオにも、台湾にも行ったが、それぞれの国をそれぞれの国として観光した。けっして、全てを「中国」として観光した記憶はない。同じような感覚で、それぞれを“別な国”として扱って来たデルタ航空、ZARA、シャネル、ブルガリなどの外資系企業も批判の対象となっており、謝罪させられる事態へと発展している。何かがヘンだ。特に「台湾」など、その地域の人達自体が「中国」の一部だとは思っていない。それなのに、強引に“中国”へと引き戻そうとしている。かつて歴史の中でも、そういうことが何度も繰り返されてきた。例えば古代ローマ帝国、オスマントルコ帝国、ジンギスカンのモンゴル帝国、スペインの海洋帝国、近代では大英帝国や日本の大日本帝国もそうだった。これらはいずれも力による支配を試み、領土を拡大していったが、結局、手を伸ばし過ぎた代償を負うことになって滅びた。現在の中国は、正に“その歴史”を繰り返そうとするかのようですらある。そのためには“あらゆる統制”もいとわない。中国北部にあったキリスト教会が取り壊された。共産党当局への“登録”を拒んだからだ。党の監視下から逃れようとするものは撤去する。どんな組織的活動が活発化するか解からないからだ。しかし、あまりの強引さは、やがて反発を招き、崩壊していくのは歴史が証明している。一時期、それぞれの国が尊重し合って「世界は一つ」などと言っていたのが“嘘”のようにさえ思える。
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