或る意味で衝撃的なニュースだ。北朝鮮の女性達12人が韓国の情報機関によって「拉致」されていたというのだ。ことは2016年に遡る。この年、北朝鮮政府が中国で経営していたレストランから、女性従業員12名がいっせいに脱北して韓国に亡命を希望したというニュースが伝わった。ところが、その後どうなったのかについての続報はなかった。このほど国際非政府組織の調査チームが下した結論が公表された。どうしてそういうことが行われたのかというと、北朝鮮政府は「韓国に拉致された」と主張し、韓国政府は「自由意思による脱北だ」として激しい応酬が続いてきたからだ。国際非政府組織がその仲介に当たったといえる。そのNGOの弁護士たちによれば、同じレストランで当時働いていた女性達の証言から、12人の女性達は店長に騙されて飛行機に乗ったというのが真相とされた。実は途中から引き返した女性が7人いて、それは店長と情報機関職員とのやり取りを偶然聴いてしまったからだという証言を得た。この事実を確かめるため、脱北した側の女性達による証言も求めたのだが、韓国政府はそれを認めなかった。あれから3年経ったのに、脱北した女性達は未だに韓国政府と情報機関の監視下にあり、自由に面会することすらもできていない。これらの事実から、NGOの弁護士たちは、北朝鮮女性12人は韓国政府によって拉致された、と結論付けたのである。「拉致問題」は日本人と日本政府にとって、もっとも重要な案件である。かつて日本人多数が北朝鮮により「拉致された」として国際社会に訴え続けてきた。けれども最近になって「拉致された」と認定されていた人物が「国内で生存発見される」とか「国内で遺体で発見された」とかいうニュースが出てきている。実際に「拉致された」人たちと「拉致されたかもしれない」人たちとの基準は極めてあいまいだ。北朝鮮との交渉で、本当に「拉致された人たち」の返還を望むのであれば、単純な「行方不明者」との違いをもっと明確にしておかないと、北朝鮮政府から「単なる言い掛かり」として扱われる可能性もある。したがって“有力証拠”があって「拉致された」人だけに絞って交渉しないと、万一、拉致された人が日本国内で発見されたなら、全部が「日本のでっち上げ」と反論されかねない。今から思うと、防犯カメラの設置がもっと早ければ、さまざまな「拉致事件」は起こらなかったか、すぐ解決できた可能性もある。プライバシーも重要だが、犯罪抑止としての“情報公開”はどんどん行うべきだ。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む